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カシャ、カシャ、カシャ。


誰もいない図書室に響くシャッターの


音が心地いい。



ぐっと集中してシャッターを切る。


風がやんで、風景が動きを止めたのを確認して


わたしもふーっと大きく息を吐いた。


自分でも知らないうちに、


息を止めてしまっていた。



?「なに撮ってるの」



突然、耳元で声が聞こえ、



驚いて振り向くと、目の前に男の子の


横顔があった。


思わず「きゃっ」と小さな悲鳴をあげたけれど、



?「あ、ごめん」

とその男の子はたいしてあわてもせずに謝った。



距離が近すぎて、わたしはよろっと後ずさりしてしまう



わたしの後ろからスマホをのぞき込むように



して立っていたのは、同じクラスの片寄涼太だった。



動揺を隠し切れないわたしとは対照的に


片寄涼太はただただ興味津々という


表情でわたしを見つめている。






涼「写真好きなの?」


「……」


どう答えたらいいかわからないで


黙っていたら、片寄涼太は手を差し出してきた。



涼「どんなん撮ったの?見せて」


わたしは思わずスマホを後ろに隠した。


「そ、そんな、人に見せるような写真じゃないから……!」

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作者名:ゆーか | 作成日時:2017年10月16日 19時

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