０１：見つけられない ページ1
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◇◇◇
「ねぇ、そろそろやめたら？」
暇になったのか、そこら辺に転がってる酒の空き缶をラベルの向きを揃えて丁寧にテーブルに並べ始めた。
「それって飲むのを？引きずるのを？」
そう言いながらまだ開けてないチューハイの缶に手を付けようとした私から、缶を奪い取る。
「どっちもだよ」
もう、何回目だろうか。
こんな会話をするのは。
「もう俺、再来月には東京行っちゃうよ？」
「…分かってる」
「誰に面倒見てもらうの、お前」
「………ひとりで大丈夫だもん」
なんて。
ひとりが大丈夫なら今ここで酒を飲みまくったりはして無いはずなのに。
「Aも地元出れば良いじゃん。なんで急に地元に就職するって言い出したの？」
次の4月からは、私も4回生になって本格的に就活が始まる。
「なんでって…」
そんなの…。
「樹に聞いたんでしょ？……お前さ、そんな理由で就職先決めんなよ。バカなの？」
知ってるくせに、意地悪な言い方。
「そんな理由って言わないでよ」
「いや、言うでしょ。しょーもな」
………酷い。
そんな言い方しなくてもいいじゃん。
「……分かってるよ、そんなの」
自分が一番、分かってる。
しょーもな…って言われても、仕方が無いのは分かってるんだ。
「今年で、本当に最後にするから」
「それ、去年も聞いた」
「……そうだっけ」
今年もやっぱり、答えは見つけられないまま。
いや、とっくの昔に分かってた。
私がただ……あなたの事を忘れられないだけ。
「お前も東京来るなら俺が面倒見てやるけど？」
「そんな思ってもないこと言わないでよ。もうだいぶウンザリしてるくせに…」
「とっくの昔にね」
なんだか今日は、いつもより毒舌な気がした。
「いつまでアイツのこと引きずるつもり？もう何年よ。3年…いや、4年？」
「…具体的な数字出さないで」
「バカだね、本当」
そうだね。
………私は、大バカ者だよ。
◇◇◇
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chaka(プロフ) - まゆみんさん» まゆみんさん、コメントありがとうございます！そこは楽しみに取っておいて頂けると嬉しいです😂😂 (2022年8月16日 7時) (
レス) id: 93153d1174 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 北斗くん落ちだと嬉しいです、 (2022年8月16日 5時) (レス) @page8 id: a4251eab11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chaka
| 作成日時：2022年8月15日 13時
