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俺が言うのもなんだけど、Aは男友達とか多い方じゃないし、学食で見かける時もひとりで居ることが多かったから。
正直、京本が勝手に言ってるだけだと思ったのに、肯定的な返事をしたAに驚いて、咄嗟にパッと顔を上げて反応してしまった。
目が合ったけど、またすぐに逸らされて少し考えごとをしてるような表情を見せたかと思えば、思いついたように慎太郎さん！と呼ぶ。
「慎太郎さんも今日シフト入ってますよね？」
「ん？うん、入ってるけど…」
「じゃあ慎太郎さんも一緒に行きましょうよ！パフェ！」
あまりにも唐突な誘いに慎太郎も若干気まずそうな顔してるし。
ていうかなんで慎太郎なんだよ。
関係性的にはどう考えても普通は俺だろ、誘うなら。
「えっ、ワンコちゃん…？」
京本も戸惑ってる。邪魔者呼ぶなよ的な感じ？
「いいですよね！？京本さん！！」
「俺はいいけど…」
「あーーー、ごめん俺今日バイトの時間までちょっと友達と予定あってさ」
え。
さっきそんなこと言ってなかったし、今日バイトまで何しよっかなーって言ってたよな？
「慎太郎さん行けないんですか…？」
「うん、ごめんね？Aちゃん。
きょもと楽しんできて！」
慎太郎の言葉に、分かりやすく落ち込むA。
そこまで分かりやすいと京本もちょっと可哀想に思えてくる。
誘った側だったらショックだぞ、普通に。
とか言いつつも、慎太郎を誘った意図は置いといて、京本と2人になることを避けてるように感じて、京本には悪いけど嬉しくなっちゃう俺。
「俺、一緒に行く」
気付いたら無意識にそんなことを口走っていた。
「え！？」
よほどびっくりしたのかAが目を丸くして俺を見つめる。
「だって、俺もパフェ食いたいもん」
嘘。パフェが食べたい気分なんかじゃない、全く。
だけど京本と2人にさせるのは何としてでも阻止したくて、ついそんなことを言ってしまった。
「まっちゃんさん…パフェ好きでしたっけ…？」
「うん、好き。めっちゃ」
俺がそう答えると、さっきからニヤニヤしてた慎太郎が吹き出す。
なんだよ、悪いかよ！
こうなったらもうヤケクソ。
「なに、ダメなの？」
「えっ、いや、全然…ね！京本さん…」
「ん？あー、良いけど？」
京本お前…嫌そうな顔してんなよ。
めちゃくちゃ顔に出てんだよ。
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作者名：chaka
| 作成日時：2022年6月18日 12時
