どうしてそんなに悲しそうなの？ ページ35
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『ちょっと…なんか喋ってよ』
深「あー…うん」
『今日のふっかおかしいよ』
もう何回目かわからないこの会話。仕事終わり、ふっかに呑みに誘われてこの居酒屋に入ったのは1時間ほど前。いつもなら絶対ビールを頼むふっかは珍しくソフトドリンクを頼んで中の氷をずっとストローでくるくる回してる。
『調子悪いの？帰る？』
深「いや…その…」
…なんなのよ一体。いくら相手がふっかでも無言で1時間はさすがにしんどい。痺れを切らし、お会計の伝票を頼もうとした手をふっかはとめた。
深「言う！…言うから」
立ち上がろうとした腰を仕方なく下ろすと、ずっとグラスを見ていたふっかの視線が私と交わる。
深「…康二と…付き合ってたってまじ…？」
『…え？』
突然出てきた康二の名前に動揺を隠せない私。そんな私を見てあからさまにため息をつくふっか。
深「…まじなんだ」
『いや…それは』
深「いいよ、本人から聞いたから」
そう言われてしまえば私はもうなにも言い返せない。平常心を保つためにガラスに残っていたお酒を一気に飲み干しても、まだ心臓はバクバクと波打ってる。
深「まあ…俺には関係ないんだけどさ」
『っ、』
深「Aがだれと付き合おうと俺には関係ない…」
当たり前の事を言われているはずなのに、えぐられるように胸が痛い。俯きかけた視線を少しだけ上げた時だった。
『…じゃあ、どうしてそんな顔するの？』
深「…え？」
『どうしてそんなに悲しそうなの？』
ふっかの表情が今にも泣きそうなくらい歪んで見えたんだ。…勘違いじゃない。傷ついたような寂しそうな顔。
『…ふっか、そんな顔したら私…「まって」っ、』
深「いや、まって。ちょ、落ち着こう」
『私は落ち着いてるけど…』
深「…帰る！俺、帰る！」
『ちょっ、』
慌てたように財布と携帯を手にしたふっかは、そのまま店の出口の方に足を進めていて、追いかけるように私も立ち上がる。
『ちょ、ふっか！』
深「妹！」
『は？』
深「Aは妹！」
『いや、え？それはわかってるけどでも』
結局、ふっかは私の言葉を最後まで聞かず足早にお会計をして出て行ってしまう。1人取り残された私は、ガヤガヤと騒がしい居酒屋の中で深くため息をついた。
『妹なんてわかってるよ…。だったら、そんな顔しないでよ…』
そう呟いた言葉、ふっかに届くことはないのだけど。
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YUME(プロフ) - riri_purukawaさん» コメントありがとうございます（＾_＾）泣いてしまったなんて…嬉しくて私が泣きそうです(｡-_-｡)笑続編に移行しますが、そちらもどうぞお願いいたします！！ (2020年8月15日 23時) (
レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
riri_purukawa(プロフ) - さっくんとのデートのとこで泣いてしまいました(;o;) (2020年8月15日 17時) (レス) id: be778bbdda (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます（＾_＾）切なすぎて…ってお言葉嬉しすぎます( ^ω^ )これからも更新頑張るので、ぜひ楽しんでお読み頂けると嬉しいです(*´-`) (2020年8月15日 12時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - なんかもう切なすぎて……………こっちが泣きそうです…もう誰落ちでもいいから主人公が幸せになったらな、なんて思いながら見てます！こらからも頑張って下さい！！！！ (2020年8月14日 22時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます！！私も書きながら、誰と幸せになるのか悩んでしまいます(｡-_-｡)みんなに幸せになってほしい(｡-_-｡)これからも楽しみにしていただからように頑張ります！！ (2020年8月11日 21時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUME
| 作成日時：2020年7月31日 13時
