film30 指切り ページ31
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のりかは、ひとしきりAをからかうと、鬼道に頭を下げ、何故かご機嫌に、鼻歌を歌いながら、明日人の背中を追いかけた。
｢何で私にだけ教えてくれないのよ……｣
明日人とのりかの背中を見送ると、Aは人差し指を擦り合わせ、拗ねたように口をとがらせる。
本人は無自覚なようだが、自分の前だと、いつもより幼くなる……というか、甘えたになる。
私に解けない問題があるなんて……と愚痴を零すAを見つめ、鬼道は一人微笑を浮かべた。
｢そのうち教えるさ、必ずな｣
｢本当に？約束よ｣
宥めるように鬼道が言えば、その本当の意味を理解していないAは、嬉しそうに顔を上げ、小指を差し出した。
それが、指切りであると直ぐに気づいた鬼道は、思わず微笑むと、彼女の小さな小指に、自身の小指を絡ませる。
｢指切りげんまん、嘘ついたら針千本の〜ます！指切った！！｣
お馴染みの歌を歌いながら、絡み合わせた小指を振り、子供のように無邪気に笑うA。
そんな彼女が愛おしくて、鬼道はゴーグルの奥の真紅瞳を、優しく細めた。
ゆっくりと離れていく互いの小指。
何だか名残惜しくて、鬼道は思わず、Aの白い手を優しく取り、自分の方に引き寄せた。
重なり合った両手は、とても温かくて、だけどすごく恥ずかしくて。
子供の時とは違う、ゴツゴツとした指の感触が伝わり、ああ、彼も男の子なんだなと実感する。
Aは、恥ずかしさのあまり、まともに鬼道を見ることも出来なくて、俯き、頬を微かに赤くしたまま、か細い声で訴えるように呟いた。
｢………有人………誰かに見られたら………｣
｢見られたら……お前は嫌か？｣
予想外の鬼道の返答に、Aは俯かせていた顔をあげ、ゆっくりと彼の方に首を動かしていく。
いつの間にかゴーグルを外していたのだろうか。
普段は、ゴーグルで隠れている彼の凛々しい、真紅の瞳が露となっている。
どこか、哀愁のこもった声で、切なげに問いかける鬼道から、目が離せなくて、Aは恍然と見とれてしまう。
上手く声が出なくて、あ……う…とAが狼狽えながら、顔を逸らし、その手から逃れようとすると、逃がさないと言わんばかりに、鬼道は重なり合った手を、絡み合わせた。
恥ずかしさのあまり顔に熱が籠るのを感じて、Aは思わず、空いている左手で、自身の顔を隠すように、腕で覆う。
すると、鬼道は返答を促すように、繋がれた手に力を込める。
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シロナ(プロフ) - 愛音さん» リクエストありがとうございます！水神矢くんは、対王帝戦の前後で、雪乃ちゃんを精神的に支えます。絡みは、少し先のお話で予定しているので、お待ちいただければ幸いです！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 水神矢成龍くんとの絡みをお願いします。 (2019年3月20日 21時) (レス) id: 95fbe585e8 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - あんさん» あんさん、リクエストありがとうございます。鬼道さんとは、星章対王帝の試合で沢山絡ませる予定です！せっかくの幼なじみ設定なので、日常での絡みも増やしたいと思っています(*´艸`) (2019年3月20日 11時) (レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
あん - 鬼道さんとの絡みをお願いします。(￣^￣ゞ (2019年3月20日 10時) (レス) id: 8ea3c89cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sirona | 作成日時：2019年2月28日 20時
