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「なぁ、イザナ。一番デカい家ってあの家だよな」


帰り道、斑目がちまい声で話しかけた。
イザナは何も返さなかった。それは肯定の意だと斑目は受け取った。


「何で、家ん中にあいつは入ったんだよ」


大奥様の家は村が閉鎖される前に燃やされてその姿を完全に無くしていたのだ。村におかしな伝染病が流行った為である。死体に湧いたハエから発生した伝染病だった。それを恐れた者が家に火をつけたのだ。
イザナは何も言わなかった。カクチョーはいなくなった灰谷兄弟の背中を思い出し右腕を摩ったのであった。



「懐かしいな」



竜胆は昔起こった出来事を思い出し、フと笑った。回想終了である。そういえばそんな事もあったけ。今ではいい思い出だよなと呑気にラムネを食べていたのだ。


「なんのこと?」
「や、俺が村に行った日のこと思い出してた」
「あぁ、あれね。竜胆が取り憑かれてたやつ」
「大将がいなかったら本当に俺詰んでた」


あん時は大変だったんだから、と蘭はハッカ飴を食べる。歩いていくと見覚えのある集まりが見えた。その中にはイザナが混じってる。
目立つなと頭の隅で思った竜胆は「たーいしょ」とニコニコと笑う蘭と共に輪の中に入り込むのだ。


「何してんの」
「俺らもいーれて」
「げ、灰谷兄弟」
「カリスマさんが何のよーで?」


万次郎の周りには東京卍會の幹部らが勢揃いだ。プルプルと震える花垣もいた。
ここは心霊スポットである。まァ、なんでいるのかなんて大方の予想はついている。



「肝試してる」
「やばかった時の為に斑目くん借りてます」



「そしたらイザナが着いてきた」と万次郎は横にいたイザナを指さした。指されたイザナはとても嫌そうな顔である。眉間にシワが寄っていた。
斑目はそんなイザナの横にチョコんと立ってパピコを食べていた。貰ったらしい。



蘭はイザナに近づくと「どう?」と聞いた。
イザナな「特に」とつまらなそうに返した。どうやら尾岳には低級しかいなかったらしい。斑目がいるだけで事足りるという訳だ。

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月野 - この手の話、今まで無かったので新鮮でした!とても面白かったです!!更新楽しみにしています! (2022年10月6日 2時) (レス) @page19 id: dccd327fc0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 軍時さん» まじですか?ありがとうございます!! (2022年9月25日 22時) (レス) id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 武道可愛いですねw。空になったペットボトルまだ持ってるなんて…。竜胆は武道になにをあげるんだろう。気になります!斑目の設定考えた主さんが天才すぎる!! (2022年9月25日 22時) (レス) @page19 id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 特殊な訓練を受けている彼らだからこそ出来る対処法なので実際には…です笑なのでたけみっちがペットボトルをブンブン!と降っても除霊は出来ないことになりますね、かわいいですね🌼楽しいと思って貰えてとても嬉しいです🥰コメントありがとうございました! (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 大丈夫ですよ〜!ゆっくりにはなりますが更新頑張りますね💪 (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:軍時 | 作成日時:2022年9月13日 11時

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