蝶の姿【爆豪勝己】序章 (ページ5)

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蝶ページ5

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「どういう風の吹き回し？まぁ、いいけど！」

女は俺の手錠を外して女の手のひらを上に向けた。

「…？何してんだっ」

　言いかけた言葉をつむんで目を見開く

女の手のひらから無数の光り輝く蝶が飛び出してきた。

「んふふっ、綺麗でしょう？」

　蝶は女の周りを囲むように飛び交い、指や肩に留まる。

蝶の放つ光に揺られる女の姿は薄暗い部屋にいるのも相まって妖艶だ。

「さてと…お前たちお仕事だよ。」

　女は手をこちらに向けると蝶もこちらに飛んでくる

「さぁ、手のひらを上に向けてごらん？」

　ここで逆らうのも意味がないから素直に従う。

蝶はひらひらと舞って手のひらに留まると鱗粉をおとした。

「毒は薬にもなる。その子達の鱗粉には毒が含まれているの。」

　俺の手のひらにいる蝶を見ながら女は話し始めた。

「鱗粉が身体に溶け込んだらすぐに良くなると思うよ。」

「コイツら、逃げねぇんだな。」

「この子たちは私の身体の一部のようなものだから逃げないんだよ。」

「のようなもの？」

「んふふっ、随分とがっついて聞いてくるんだね。探り屋め。」

「...」

「良いよ、信じて治療を受けてくれたからね。教えてあげる。」

　すっかり良くなった手のひらから蝶は飛び立ち女の周りにまた集まる。