黒髪の君 Ⅳ (ページ3)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:720,827 hit

. ページ3

Koji side

向「え、、？」

ドアノブを動かしても開かない洗面所のドア

向「え、待ってや、どうなってるん、、」

向「Aちゃーん！！」

Aちゃんが起きてることを信じて何回も大きな声で名前を呼ぶ

向「Aちゃーん、！！」

十数回呼んでも返事はなくて、今日はもうここで寝ようって思えてきた

『、、まって、じーこ、ごめん、！！』

ドアのすぐ近くでAちゃんの声が聞こえて、ドアが空いた

向「はぁ、、よかった、ありがとうな」

このまま出れんと思っとったから、Aちゃんが命の恩人に見えてくる

『ごめん、じーこ』

向「なんや、どうしたん？」

助けてくれたのに申し訳なさそうにするAちゃん

『、、私が、ここで座って寝てた』

向「じゃあ開かんかったのはAちゃんがいたから？」

『、、ほんとごめん』

顔の前で手を合わせて謝るAちゃん

詳しく聞くと、リビングにおったら寝落ちしそうでここで待っとってくれたらしい

向「なんや、先に寝ててくれてよかったのに」

『、、』

Aちゃんが急に下を向くから慌てて、

向「どっか痛い？体調悪い？」

Aちゃんの体を見て確かめる

『、ちがう、、、じーこと寝たかった』

向「、へ？」

『、だから、じーこと一緒に寝たかったの、！』

顔を紅くして下を向いてそう言うAちゃん

急にそんな可愛いこと言わんでよ、

『、もう、寝る』

そんなことを言っときながらちゃんと俺の手を引いて寝室に向かう

.

向「、、なぁ、こっち向いてくれへんの？」

2人でベッドに入って、いつものようにAちゃんを壁側にして寝る

やけど、俺に背中を向けて寝てるAちゃん

向「寂しいやんか」

そう言うと、ゆっくり体をこちらに向けた

『、怒ってない？』

向「なにがよ」

『......ライブで疲れてるのにじーこの家来て、じーこの裸見ちゃったし、ずっと閉じ込めてて、、さっき一緒に寝たいってわがまま言っちゃった、、から、』

俺の服を掴んで寂しげにそう言うAちゃんが可愛くて、頭で考えるより先に体が動いた

『、くるしっ、、』

向「苦しいぐらい我慢せぇ」

『ふふ、じーこあったかい』

向「、、そんな、可愛いこと言わんでよ」

『ん？』

向「なんでもあらへん、」

おやすみを言い合って、Aちゃんの温もりを感じたまま眠りにつく