命令10 ページ43
川西「終わったら呼んで。外出てるから」
そう言って体育館の扉を開けて出て行った川西。続くように治も足を動かす。
宮治「……1人生き残るんやったか。ほな誰か知らんけど先に言うとくわ。
良かったな」
二人が出て行って、次に次にと扉に手をかける。
最終的に体育館の中に残ったのはAチームの面々、及川、西谷、日向、孤爪だった。孤爪は試合が終わったと同時に床に座り込み、壁にもたれかかって膝を抱いていた。
澤村「な……ん、だこれ……」
一言。それに全員の視線が澤村に向く。澤村が見つめる自分の両手には、
小指の第一関節が無かった。
影山「っ……!」
国見「……は、は……なるほどな」
及川「岩ちゃん!……っ、岩ちゃん!!」
床に横たわったまま岩泉は動かない。顔面に強打した衝撃が脳に響いているようで、意識を失っていた。及川は岩泉の肩を揺さぶる。体が揺れる毎に、指が落ちていく。シューズも赤く染ってきた。床に血が広がる。
木兎「っ、や……だ……いやだ……っ!い、てぇ……痛てぇ……っ!!」
走り出した木兎は閉じられた扉に近付く。木兎が走った道筋に一つ一つ、体の欠片が落ちていた。手をかけようとした、けれど、既に指先は全て床に散らばっていて、木兎は震える手を瞳孔を開いた目で凝視した。
日向「…ぁ……あ……、っ…ぇ……」
西谷「っ……!」
足を引いた西谷。日向は腰が抜けたようにへたり込んだ。足元に血溜まりが迫っていた。逃げるように床を蹴るが、足に上手く力が入らない。掌にヌメっとした感覚があって、ぞわりと鳥肌が立つ。
誰か、言ってくれ。これは悪夢だと。絶対に醒める、夢であると。地獄だ、正気でいられる訳が無い。助けてくれ。
体の末端から関節ごとに落ちていき、四肢が胴から離れる頃。
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誰かの首が落ちた。
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すみた先生(プロフ) - 生きてる人さん» 読んでいただきありがとうございます!自分でもなんで川西をここまで育てたのかよく分かりませんが、役がハマったようで良かったです(笑)。どうかそのまま生きてください…… (7月24日 23時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
生きてる人(プロフ) - 読んでいるうちに片鱗は見えてたのですが命令9の川西が本当に大好きすぎました!!!!!!このような素晴らしい川西をありがとうございます!!あなた様のおかげで命が救われ気力体力全回復しましたありがとうございます!!!!!!! (7月24日 8時) (レス) @page3 id: 17d3aa535f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 命令9の最後にて、チーム分けに間違いがありました。国見と金田一が逆になっていた事をご指摘頂きましたのでここで報告させて頂きます。混乱された方、大変申し訳ございませんでした。訂正し、お詫び申し上げます。 (2022年1月3日 19時) (レス) @page48 id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 員脚さん» ありがとうございますっ!どんどん加速してラストスパートかけていくんでよろしくお願いしまーす!! (2022年1月2日 22時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
員脚 - あらあら!!!川西くんが活躍しちゃうわ!!!まさかBチームが勝つとは!!やっぱ“すみた先生”最高っスワ (2022年1月2日 22時) (レス) @page48 id: a61a8e014c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年8月9日 12時