王様ゲーム、切望。

命令9 ページ3

【捕まった者に心臓発作の罰を与える。
白鳥沢高校
牛島若利、山形隼人。】

【服従確認】





宮治「……こんな短時間で他校の奴ら見つけられる訳ない。てことは…」

赤葦「同じ白鳥沢。まさか……自分の先輩まで殺せるのか」

宮侑「……せやから協力なんかしたくなかったんや。訳分からん奴と組んでもデメリットの方がデカいし。つか今のでもう1チーム潰れたようなもんやん」


侑の最後の言葉に、赤葦は足を止めた。



赤葦「ちょっと待って。……宮、なんで白鳥沢の鬼が1人だって思ってんの？」

宮侑「はぁ？何言うとんねん自分がさっき言うたんやろ。白鳥沢に1人居たはずやって。

……それに、俺見とったし。自分が白布くん殺しとるの」


赤葦「！」

宮治「えっ……そうなん……？なんで……そないな命令出てへんやろ」


宮侑「何も殺したくて殺した訳やないやろ？白布くんに襲われとった木っくんを助ける為に仕方なく。ちゃうか？」

赤葦「……そうだ。でももう過ぎた事だし、今は俺達が探さないとヤバいんじゃないかな」

宮侑「別に責めるつもりはあらへんわ。


赤葦くんの頭脳を俺らが利用しとるだけやから」


侑は勝ち気に言った。それに対し赤葦も動揺せず返した。


赤葦「確かにね。俺も、宮のパワーを利用しに来たから」



協力とは言いつつ、一時的な利害の一致。仲間ではないし、裏切ろうと思えばいつでも裏切る準備は出来ている。もちろんそれは相手も同じで、もし自分がボロを出せば仲間に危険が及ぶ可能性もある。お互いに足りないものを一時的に貸し合う関係だった。



宮治「ほんで……隠れるとしたらどこや？」

赤葦「裏山なのは間違いないとして、浅い所には隠れないと思う。だから隠れる場所として一番に思い付くのは……奥の方にある崖の近く、かな。多分皆んなここら辺の地形には疎いから、見た事ある場所を選ぶと思う。だから、長距離走の時に通ったルート周辺」

宮侑「……ちゃう」


侑が異議を唱えた。赤葦はふっと笑い、治は分からないと言いたげな顔だ。


宮侑「それは定石通りに考えたらの話やろ。確かに普通の奴やったらそこを選ぶ。……でも、今は皆んな疑り深くなっとるやん」

赤葦「そういう事」

宮治「！……せやったら、案外浅い所に居る可能性が高いって事か？」


治が気付いた時、2人は先に進んでいた。

命令9→←命令9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す