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彼女と同じクラスの丸山くん
「Aちゃん、これ ありがとぉ〜」
急に彼女のこと、名前呼びし始めた。それも2月14日が終わってから
それに
「ん〜ん、いいよ」
彼女も特に、それを気にとめる事もなく、普通に接してる
今まで、男子とあんな風に仲良くしてるとこ、見たことない気がする
ちょっとの焦りと苛立ち
“Aちゃん”って、心の中ではなんども呼んでいて
「Aちゃん、あのさ…」
意を決して呼んだのに
「…………」
ギンッて……
ほんま“ギンッ”て音が聞こえてきそうなくらい、睨まれて
「…………深谷、さん？」
「…………なに？」
なんでっ？なんで丸山くんはええのに、俺はなんで、名前で呼んだらアカンの？
もぉ、わからへん……
とまぁ、そんな事があって
ピアノを見てほしいってのは、苦肉の策
私欲のために、ピアノ使うのは心苦しいけれど、背に腹はかえられない
それに……
どうしても、彼女と弾きたかった。あの日、弾くはずだった曲
でも、手首の捻挫は全治3ヶ月。治るのは卒業式が終わってから
本当は、卒業式の日に…って思ってた。卒業式の日に、自分の気持ち伝えよう…って
でも、もし………
もしもダメやった時は、もう一緒にピアノ弾かれへんようになる
せやから、3月14日に
ホワイトデーの日に、告白する事に決めた
「なぁ、深谷さんって、卒業式の後、何か予定あるん？」
何気なく聞いたら
「えっ？うん。クラスのみんなとカラオケに…」
思いもよらなかった返事に
「ええっ⁈」
驚いた
「えっ？そんなに驚く？」
「やっ、驚くよっ！」
「そうかな？」
「そぉやよ。深谷さんって、あんまそういうの行かへんやろ？」
「うん、まぁ…」
「それって、あの……丸山くん、来るの？」
「あぁ、うん」
「へぇ〜……」
「安田くんあるでしょ？」
「………せやっ、そぉやった。うん、そうだ………」
その日の夜、彼女と同じクラスの奴に、カラオケの場所聞いて
そしたら、たまたま中学ん時の先輩がバイトしてる店で、うちのクラスの幹事に『こっちの方がやすいから、場所変えよ』って連絡して、何とか、彼女のクラスが予約してる隣の部屋をおさえた
だって、やっぱ気になるやん？
彼女のこと………
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作者名：ちか
| 作成日時：2020年2月14日 13時
