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プリンの話
「あああああああぁもうありえない死ね死ね死ねクソボケ五条絶対に許さないーーーーー!!!!」
両目にぶっ刺すから0.3ミリのシャーペンが2本欲しい! 6Bの鉛筆でもいいから!
「私の部屋まで声が聞こえてきたんだけど大丈夫かい?」
半ば苦笑半ば心配の表情で寮内の共有スペースにやってきた夏油をキッと睨みつけて相変わらず私は怒声をあげていく。
「大丈夫なわけあるか! 渋谷の2時間待ちの焼きプリン冷蔵庫に入れてあったのに五条に食べられたの!!! 最悪最低ついにアレにまで手出すとかほんとに信じられない」
「あぁ……悟なら随分と前に出かけて行ったよ?」
「腹を満たしたところで気分よくお出かけか〜? 帰宅したところを肉切り包丁で八つ裂きにしてやろっと」
「物騒だからやめなさい……」
ていうか冷蔵庫に帳張った方がいいんじゃね? 五条悟のみの侵入を拒む帳。私そんな高度な条件で帳張れないけど。
青春時代の2時間って貴重よ? 今日の任務謎に量が多くて疲労蓄積だからとっておきのご褒美で癒されようと思ったのに、うーーーーーん、殺す(使命)
「硝子がイライラした時にタバコ吸いたくなるって気持ち今なら分かるかも」
「身体に悪いからやめときなよ」
「いやでも五条に受動喫煙させたいからそろそろ手出してみよっかな」
「術式張られるかもね」
「アイツほんとにチートだから腹立つわ……」
ここで一つの足音。耳ざとい私はそれを五条のものだと識別して一気に殺意を放出させた。鼻の両穴にタバコ突っ込んで火つけるのもアリだな……。
「──うわなんだよ二人揃って、てかお前これ買ってきたから許せよ」
「はーー!? あのプリンとタメ張れるのは同じプリンじゃなきゃダメなんだか、」
ら!? なにその紙袋から取り出したプリン! なんでマジで同じ焼きプリン持ってるのコイツ!?
「青い顔して出ていったと思ったらそれか」
「流石に殺される気しかしなかったからな」
「ねーこれ私の!? 五条が自分のために買ったやつじゃない!?」
「ちげーよ、さっさと食って機嫌直せ」
「自分が悪いのに何様!? いただきまーすうわああああ最高! 畜生五条のクズ野郎が、しね!♡」
「台詞と顔一致してなさすぎだろ」
えへへ〜〜〜美味しい美味しい非常に美味であります幸せっ!! はーーーー餌付けされてるとしても今なら幸せな気持ちで死ねる……!
(……うまい?)
(うん!!!)
(……そ、)
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作成日時:2020年12月30日 22時