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・・・ ページ11
「ご家族は？お元気なの？」
「全員、めっちゃ元気。じぃちゃんも、毎日 畑に出てってるわ」
「そういえば、私 一度もご挨拶したことないかも…」
「それは……後でな」
「う…うん」
「こっち。足元悪いから、気ぃつけてな」
「うん」
「はい」
「…………？」
「手。靴、ヒールあるやろ？危ないから」
「あ……りがとう」
「ごめんな？歩きにくいのに、こんなとこ連れてきて」
「ううん、大丈夫」
「どうしても、日向さんと一緒にあそこの場所に行きたくて…」
「………綺麗。変わってないね」
「今は、俺が世話してんねん」
「………凄いね」
「絶対、また会えるって信じてた。もう一度、日向さんにこの景色を見せたくって…。最後の日、見送りにいかんかったのも、そう」
「引っ越しの日？」
「うん。サヨナラしたら、もう会われへんと、子供心にそう思ったから」
「そっか……」
私も、“またね”って言葉、ずっと信じてた
だから今日も、もしかしたら会えるかも…と思って、ここまで来た
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作者名：ちか
| 作成日時：2020年1月4日 23時
