此の場の誰よりも、 ページ11
ハァ、と息が口から出る。
体が悲鳴を上げて居る。腕が、肩が、頭が、猛烈に痛い。
「潮の遠鳴り…！」
叫んでも、出てくる物は勢いが無い。
だが其れは相手の男の子も一緒だ。
相手の男の子も荒い息遣いをし、今にも倒れそうだ。だが倒れる事なく、必死の形相で此方を睨んでくる。
「もう下がれ昴樹。お前はもういい」
「…！」
ギリリ、と歯噛みをした後、まだ異能を使って来ようとする男の子。その男の子に尾崎さんは手刀を喰らわせる。と、崩れる様に男の子は倒れていった。
「武装探偵社めが…。今潰せぬのは心残りじゃが、いつか必ず…潰して見せる故、覚悟しておくが良いぞ」
視界がぼやける。そして揺れて居る。
体の右側に、冷たい感覚。乱歩さんが叫ぶのが聞こえて居る。
眠いなぁ。
こんな所で寝たらお母さんに叱られるかなぁ。
呑気なことを考えながら、落ちて行く目蓋に耐え切れなかった。
____
「異能力…君死給勿」
「与謝野さん…Aの様子は？」
「安静にして居りゃアいずれ治るだろう。
だが、あのポートマフィア。絶ッ対に許してはァ置けないねェ」
額に青筋を立てた与謝野さん。誰の目から見ても、怒って居ると云うのは明らかだった。
ガチャリ。ドアが開く音がしたので其方を振り向くと、社長が立っていた。
「その娘か。異能を持っている、と云うのは」
「はい。先程異能が暴走した様です」
「でも、彼女に僕は救われた。彼女は異能をコントロール出来て居なかった。でもポートマフィアと互角に戦って居た」
「人を救う程の力が有る、と言いたいのか？」
「そうです。彼女が居なければ僕は死んでいた」
「…そうか」
社長はふう、とため息をついた。
そして袖から手を出し、呟いた。
「人を救う力が無いなら此処には要らない」
「でも…！」
「誰が娘に人を救う力が無いと言った。
……そして、異能力が制御出来て居ないらしいな」
「…はい」
風が吹き抜ける。
5人分の息の音だけが部屋にやけに大きく響く。
武装探偵社は、静かだった。
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河川革皮(プロフ) - 夜影．@ヰヤさん» また会いましたね！夜影．@ヰヤさん、明日も頑張って下さい！お互い頑張りましょう！ (2020年7月8日 21時) (
レス) id: 90a63fb1d8 (このIDを非表示/違反報告)
河川革皮(プロフ) - リアさん» ありがとうございます！テスト期間終わったら必ず戻ってくるので。それまでよろしくお願いします！ (2020年7月8日 21時) (レス) id: 90a63fb1d8 (このIDを非表示/違反報告)
夜影．@ヰヤ(プロフ) - あー、テスト期間ですか…頑張って下さい。僕は今日と明日なんですがもう、終わりました…色んな意味で。 (2020年7月8日 19時) (レス) id: 7a0cdc04ac (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - とても面白いです!!テスト期間、しんどいと思うけど頑張ってください。応援してます!! (2020年7月8日 18時) (レス) id: d0d5abfeb4 (このIDを非表示/違反報告)
河川革皮(プロフ) - 夜影．@ヰヤさん» ありがとうございます…！本編描き始めから呼んでくれたなんて…嬉しくて泣いちゃう (2020年6月13日 15時) (レス) id: 90a63fb1d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河川革皮 | 作成日時：2020年5月27日 18時
