4章:噂話なるもの、 ページ11
ー
今日の間食は、Aさんの好きなみたらし団子にしよう……そう考えて、最近やたらと通う菓子屋に出向く。
歩きながら、この間、口に団子を移されたことを思い出してしまって、心臓にドクドクと血が巡るのを感じてしまった。
顔まで熱くなってしまって、慌てて首を振って雑念を追い払おうとすると。
「あら!しのぶちゃん!」
「また会ったわね〜!」と、桃色に緑がかかった、ふわふわな髪を風になびかせて、甘露寺さんが微笑んだ。
「今日は、伊黒さんはいらっしゃらないんですね」
「そうなのよ〜!しのぶちゃんこそ、Aさん、今日は一緒じゃないのね?」
こうして、年が上の女性と話す機会は中々ないので、新鮮な気持ちになる。
甘露寺さんは、「よかったらお話していきましょう?」と、店の外に設置してあった椅子に腰かけて、直ぐ隣をとんとんと叩いた。
私が「失礼します」と、隣に座ると、「そんな堅苦しくなくていいのに!」なんて、また、ふわりと笑む。
本当に可愛らしい方。
・・・
たわいもないことを話しているうちに、話題はいつの間にか、Aさんのことに移り変わっていた。
「しのぶちゃんは、Aさんのどんなところが好きなの?」
グッと顔を近づける甘露寺さんは、いかにも興味津々といった表情で、とても楽しそう。
私はこういう話題にはどう反応したらいいかわからず、ぐるぐると考えてしまう
すると、甘露寺さんは「そういえば」と、思い出したように。
「何時だったかしら……Aさんはしのぶちゃんの可愛らしい顔がとても好みだって、誰かが言ってたわ!胡蝶家は皆、お顔が綺麗だーって」
「……え」
「お顔を誉められるって、羨ましいわぁ!」と頬に手を当てる。
一方の私は、心が少し痛くて。
Aさんに限って、まさか。
……顔で決めたり、なんて。
不安が募る_____
ー
686人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天霧(プロフ) - うっひょうぅぅぅう!しのぶさん最高ですよ! (2021年11月5日 20時) (レス) id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - しのぶちゃんかわいいですよね、、!更新待ってます! (2020年8月12日 22時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃこの作品好みです!更新お願いします!!!これからもがんばってください!! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
イツキ - 二人のイチャイチャ楽しみです! (2020年5月10日 12時) (レス) id: a90c8d5aa0 (このIDを非表示/違反報告)
剣華 - いつもニヤニヤしながら見させてもらってます。ほんと好きです!次の更新も楽しみにしてます!がんばってください。 (2020年5月7日 12時) (レス) id: e2d859c4ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たつき | 作成日時:2020年3月30日 7時