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〆.
「中間さん!ティッシュ持ってへん?」
「へ、」
神山くんの突然の声掛けにうまく反応できない私。
他三人が私へと視線を移す。
「汚い話やけど、しげが口からお茶噴射してさ。雑巾で拭いたら次から汚くて使われへんやん?でも俺らティッシュなくて……」
「おい!汚いてなんや!!」
「まあ、しげの吐き出したもん拭いた雑巾はどんなけ洗っても……なぁ?」
「お前らァ!!!!」
喚く大毅くんを他所に、三人は返事待ち。
「うん、朝、ティッシュ配りの人にめっちゃ貰ってん」
三個ほどポケットティッシュを取り出して四人の元に近づく。
二つは神山くんと大毅くんにそれぞれ渡し、残り一つは自分で使う。
「あ、中間さんええよ!中間さんが穢れてまう!」
「なんやねん!!」
大毅くんの扱われ方がよくわかる。
愛妻弁当の話はどこかへ飛んでいったみたいで良かった。
「…………中間さんて、意外に喋りやすいな」
「ん、?」
藤井くんが、キラキラした目を向ける。
「男子とは喋らん系女子かと思ってたから」
「あ、そう……やね、あんまし、」
しどろもどろ。
まあ……大毅くん以外の男性とはお喋りしないかな。
「…………………………」
大毅くん、むすーってしてる。どうしたのかな。
「あ、だ………重岡くん、顔もちょっとぬれてる」
豪快に噴き出したんだな。
ポケットからハンカチを取り出し拭いている途中、我に返った。
これ………相当なことしてない?
大毅くん顔真っ赤だし。
「中間さん!しげにそこまでせんでええで!?」
終始ポカーンとしてた小瀧くんが慌てる。
「つ、つい……」
「母性本能でもくすぐられた?」
「かも……」
からかうような神山くんの言葉に肯定の意を示すと、小瀧くんがぐいっと身を乗り出す。
「ええ!俺の方が母性本能刺激せん!?可愛ええやろ!俺!!」
「ん……?」
こちらに対しては、もはや否定ともとれる反応を見せておいた。
だって、もしかしたらだけど。
「…………………………、」
大毅くんが仏頂面なのは、やきもちをやいてるのかもしれないから。
〆.
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まりん(プロフ) - 続き気になります! (2019年5月2日 10時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)
神なな - ほんとにぃっ!なんですか!?こんな可愛いお話…ヤバイですよー!シゲに抱きつかれるなんて夢のそのまた夢の夢の夢の…夢の…y‥更新頑張ってください!!!!次も必ず見ます!読みます!叫びます! (2019年5月1日 19時) (レス) id: 23077af701 (このIDを非表示/違反報告)
A - な!なんですか!?!?このほのぼのかわいいお話は私今まで見たお話でいっっっちばんすきなお話かもしれないです!大変かもしれませんがこれからも更新頑張ってください!! (2019年4月30日 21時) (レス) id: fe81496d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆな | 作成日時:2019年4月30日 15時