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「せ……先生……?」

「綺麗にしてるやん、ジュリエット……やったっけ」



まるで何事もなかったかのように私の髪の毛を触る先生に、私は戸惑う。何これ、夢?現実だよね?




「……先生、私が劇出るの知ってたんだ?」


夢でも現実でも、何でもいいや。そう思い、私は先生にそう聞く。

先生はくすりと笑って、





「当たり前やろ、Aのことなら何でも知ってる」



“俺に会えなくて寂しかった、って思ってることとか”


そんなことを言う先生の手が髪から頬に、唇にと動いていって。冷たい先生の手に、びくりと肩を揺らす。




「……今日は口紅、校則違反じゃないよ」

「……そうやね」



そんな会話をしながら、どんどん近付いてくる先生。いつの間にか、私と先生の唇が重なっていた。

口紅取れちゃう、なんて思ったけど、久しぶりに感じた先生の温もりに今は溺れていたい。


嗚呼、夢ならどうか……醒めないで。






ひとしきり唇を重ね合って、口紅はすっかり取れてしまって。先生はようやく動きを止めた。

私は息を切らしながらも、先生に聞く。




「……ねえ、何で……あのとき、あんなこと言ったのに……」



そんな私の問いを遮るかのように、先生は口を開いた。






「……好き、A」




──先生の声は小さくて。か細い声だったけれど、たしかに耳に届いたその言葉に私は目を見開く。

私の心音、先生の息遣い。それらが“現実”なのだと、私に知らせる。





「……っ、私も……私も、好き」




溢れてくる涙はとまらなくて。先生は泣かんといてや、と私の涙を指で拭う。

だって、私……こんな日を、ずっと夢見ていたから。いつか、先生も私を好いてくれたら、って……思っていたから。


気持ちが抑えきれなくなって、先生に抱きつこうと手を伸ばす。そんな私の手に指を絡めた先生は、そっと私の手を下に下ろさせた。

え、と不思議に思って先生の顔を見ると、私の目をまっすぐ見つめて先生は口を開いた。





「なあ、Aのクラスの劇ってロミオとジュリエットなんやろ?」









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作者名:きゃろっと。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年10月3日 21時

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