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雅紀は教室でも、よく私の隣に座ってる。
私が友達と居ても、あっちが友達と居ても。隣に座る。
放課後もよく一緒に帰るから、大学でできた友達に何で雅紀とそんなに仲が良いのかと訊かれた事がある。
小学校の同級生だった事を言うと「初恋の人！？」なんて面白そうに言われるんだけど、全然そんな事は無い。
私の初恋は、雅紀とは真逆な大人しい男の子だった。
「ねぇ、Aって何で彼氏いないの？」
「...え？」
食堂で向かい合わせになってお昼ご飯を食べてた時。
たまたまお互い友達が授業中で、空きコマだった私達は二人きり。
「何でって...自分で分かれば苦労しなくない？」
私が言うと、雅紀は「んー」って唸りながらチキン南蛮を食べてる。
「A、可愛いのにね」
同じようにチキン南蛮を食べてた私は、コントのようにブフっと噎せた。
水を飲んで「からかうんじゃないよ」とふざけて言えば、雅紀は「からかったワケじゃないよ」ってちょっと口を尖らせる。
何だか気まずくて、ご飯を一口食べる。
「じゃあさ、どんな男がタイプなの？」
「え...どんなって...」
「マッチョ系とか、もやしっ子系とか」
「もやしっ子系なんて初めて聞いたし」
アハハーって軽く笑うと、雅紀もアハハーって笑う。
「ホント？俺の高校ん時からの友達に、もやしっ子系いるよ」
「私はもやしっ子系なんて聞いた事無いってば」
「色白くて細くて、ゲームばっかりしてるけど可愛いの」
「......」
「超キュートだから、Aも会ったらきっと好きになっちゃうだろうなぁ」
「...確認だけど、それは男の子なんだよね？」
超キュートとか言ってるけど...。
「もちろん。あ、超キュートなのは見た目だけで中身はオラついてるけど」
「んー...オラついてる人はあんまり好きじゃないかな」
「でも真っ白でモチモチしてるよ！」
「私は...」
目の前には、こんがり日焼けして一番大きなサイズのウーロン茶をゴクゴク飲んでる雅紀。
「ちょっと焼けてて腕とかに筋が出る人の方が...好きかな」
私が言うと「ん？」と雅紀がウーロン茶を飲んでた口元を手の甲で拭った。
「俺、焼けてる！筋もめっちゃ出るよ！」
自分の腕を見せてニィっと笑う。
「Aは目尻の皺とかも好き？」
そして、笑った目尻に浮かんだ笑い皺を指差して「これ、俺のオススメポイント」とか言ってる。
だけど、次の瞬間には「もやしっ子系、今度一回会ってみる？」なんて楽しそうに言うんだ。
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めぐお(プロフ) - 久しぶりに読んだイロコイ。やっぱり大好きなお話です。残してくれてありがとうございます。 (2022年9月16日 16時) (
レス) @page47 id: 17cbbe6ec7 (このIDを非表示/違反報告)
莉依(プロフ) - 何度読んでも、やっぱりイロコイのお話は良い。大好き。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: c571097cf8 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 結城ちゃんがビール飲めるようになってることに感動です( ；∀；) (2018年8月24日 15時) (レス) id: f393ece0e8 (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - やーっと読むことができました。先生の『行間を読みなさい』が久々に聞けてドキドキしちゃいました。それぞれの恋のはじまりが丁寧に伝わりました。もう、恋をする年齢ではないけれど、お話の中では恋をしていきたいな。レイさん、いつもありがとうございます。 (2018年8月14日 6時) (レス) id: dc084211e8 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - イロコイ…続きが拝読出来て感動♪それと大野さんの「ともちゃんが猫を拾ったあの時、おれは恋を拾った」に心臓がドキューンと殺られたｗｗｗ (2018年8月8日 21時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年5月21日 18時
