●STRIKE【S】 ページ24
人見知りというわけではない。
友達も増えたら良いなと思ってる。
だから、大学生になってからのお誘いはよっぽどの用事が無い限り参加していた。
だけど、今日のは間違えたかもしれない。
「...合コンじゃないって言ってなかった？」
隣に座ってる友達のミカに小声で訊くと「合コンでは無い」って笑ってる。
「でもこれ、どー見ても合コンじゃない？私、合コンは参加しないって言ってたよね？」
「これはボウリング大会！合コンじゃないってば」
ガコーン！とピンが倒れる音。
今、投げてた男の子がストライクを出した。ミカが「ナイスー！」なんて手を叩いてる。
女子5人、男子5人。
違う大学の女の子が来ると思い込んでたのに、来たのは全員男だった。
「しかも私、ボウリング苦手なのに...」
「めちゃくちゃ上手いよりは可愛いって！」
「可愛さアピールとか、必要無いでしょ。ボウリング大会なら」
ミカが「もう、屁理屈」ってお母さんみたいに笑う。
合コンだけは誘われても行ってなかったのに。
だって、合コンに来る男子なんてアソビ目当てなんじゃないの？
私はそんな出会いならいらないし、面倒臭いとまで思ってしまう。
「Aの番だよ！」
「.....」
ミカに促され、10ポンドの球を投げた。
一投目は端っこのピンを2ピン。二投目も同じコースに行ってしまい、0ピン。
得意ならとりあえずボウリングだけでも楽しもうと思えたのに、これじゃ全然面白くない。
「ドンマーイ」とか「大丈夫大丈夫！」とか、男の子達が声を掛けてくれてるけど「あはー」ってわかりやすい愛想笑いしか出来ない。
「俺もあんま得意じゃないんだよねー」
私の次に投げるらしい人が、席に戻ろうとしてる私に向かって困ったように笑う。
そして、さっきまで私が使ってた球を手にして投げた。
でもその球はポーンと宙に浮いて、ゴンとレーンに落ちたと思ったらすぐに溝を這って行った。
「かっる！」
驚いたように私を振り返った彼に「それ、10ポンドですよ」と言うと「どうりで！めっちゃ浮いた！」ってケラケラ笑ってる。
周りも「翔ちゃん、わざとー？」「投げる時に分かるでしょ」って楽しそう。
「わざとじゃねーわ！」
そう言いながら、今度はちゃんと重い球を投げた彼は『得意じゃない』だなんて言ってたくせにスペアを出した。
その後も私は倒せて5ピンとか。
でも私の次に投げる翔ちゃんと呼ばれてた彼は、すれ違う時に「今のコースは良かった」とか言ってサムズアップする。
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めぐお(プロフ) - 久しぶりに読んだイロコイ。やっぱり大好きなお話です。残してくれてありがとうございます。 (2022年9月16日 16時) (
レス) @page47 id: 17cbbe6ec7 (このIDを非表示/違反報告)
莉依(プロフ) - 何度読んでも、やっぱりイロコイのお話は良い。大好き。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: c571097cf8 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 結城ちゃんがビール飲めるようになってることに感動です( ；∀；) (2018年8月24日 15時) (レス) id: f393ece0e8 (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - やーっと読むことができました。先生の『行間を読みなさい』が久々に聞けてドキドキしちゃいました。それぞれの恋のはじまりが丁寧に伝わりました。もう、恋をする年齢ではないけれど、お話の中では恋をしていきたいな。レイさん、いつもありがとうございます。 (2018年8月14日 6時) (レス) id: dc084211e8 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - イロコイ…続きが拝読出来て感動♪それと大野さんの「ともちゃんが猫を拾ったあの時、おれは恋を拾った」に心臓がドキューンと殺られたｗｗｗ (2018年8月8日 21時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年5月21日 18時
