▽吉野の故障 ページ11
「いやぁまさかスピーカーが壊れてるとはね。」
「僕もびっくり驚き驚愕です。相模原さんも目を丸くしていました」
てきぱきと吉野を修理し、マスターはいつものように、優しく吉野の髪を触った。吉野は座った体勢のまま、嬉しそうにマスターを見上げる。
「マスター、次に僕は相模原さんと、なんのお話をするのですか?」
「…あぁそうだね。この前は晒しスレだったか。うーんどうしようかなぁ」
マスターはそうだ、と思い付いたように吉野の両頬に手を添え、少し上に向かせる。
「次は『占いツクールを舞台にした小説』について話そう。」
ぱっ、頬から手を離し、マスターはくるりと吉野に背を向け、続ける。
「よくあるだろ?占ツク舞台の小説がさ。」
「確かに……。
マスター、具体的な議題、いんぷっとお願いします。」
「……とりあえず、『占ツク舞台小説の需要』か『占ツク舞台小説がなぜ多いのか』ってところかな?……ま、後でちゃんと記憶させといたげるから、さ。」
マスターはいつもの優しい笑顔で振り返り、「さ、相模原さんの所に戻りなさい」と吉野の背中を押す。
「分かりました!相模原さん、困らせちゃイケナイ!!相模原さん、良い人!!!」
吉野の透き通った二つの青い瞳に、大きな星が浮かび上がる。これは吉野が嬉しい・楽しいといった感情を持った時に出るサインだ。
マスターは吉野の嬉しそうな様子を微笑ましく見ていたが、ふと、その青い目に違和感を見つけた。
「……吉野、その目……」
「……??」
目の青が、徐々に鮮やかな桃色に染まっていく。そして目の中の星はハートへと姿を変えていた。
(……まずいな)
マスターは両手で吉野の目を覆い、いつもの何倍も優しい声色で語りかける。
「……吉野、君はこの世界を、占いツクールを変えるために生まれた、ただのロボットだ。」
「……はい。」
「……だから、相模原さんに深く関わってはいけない。他人なんだ。しかも君は、」
「ロボット…です」
「…うん、ちゃんと分かってるね。愛なんて感情を持っても、君が傷付くだけなんだよ。」
「……。」
「君が傷付くところを、僕は見たくない。」
マスターはゆっくりと手を離し、吉野の正面に立ち、桃色も青色も消え失せた、真っ黒な吉野の眼に語りかける。
「全ては占いツクールを良くするためなんだ。……分かるよね?」
「分かる。ます。」
マスターは満面の笑みで「偉い偉い」と吉野の頭を撫で、小さく呟いた。
「吉野は良い子なんだからね。」
桃色ハート型の瞳は、恋心を抱いているサイン。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
5人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピーーーーーーーーーまん(プロフ) - レナレナさん» 本当ですか!?ありがとうございます!!嬉しいです…!!!!!!コメントありがとうございました!!!!! (2017年4月9日 8時) (レス) id: 61af2a80c6 (このIDを非表示/違反報告)
レナレナ - なんか、凄い面白い作品ですね…。討論しているのにこのクオリティー。凄いと思います。そして、二人が可愛い…。 (2017年4月8日 21時) (レス) id: d105b646c5 (このIDを非表示/違反報告)
ピーーーーーーーーーまん(プロフ) - まぁさん» ありがとうございます!!登場人物には愛を込めてるので(笑)そう言って頂けて嬉しいです…!! (2017年3月24日 11時) (レス) id: faea06e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ - もうなんか相模原と吉野の2人が可愛すぎる… (2017年3月24日 10時) (レス) id: 29417e9cbb (このIDを非表示/違反報告)
ピーーーーーーーーーまん(プロフ) - バニー・ミント@低浮上気味小6さん» 指摘やアトバイスなど、ありがとうございました。私もこれ以上のレスは控えます。本当にありがとうございました!! (2017年3月22日 22時) (レス) id: faea06e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピーーーーーーーーーまん | 作成日時:2017年3月20日 14時