恋 ページ1
いい天気だ。
真っ青に晴れた空。
風も適度に吹いている。
爽やかだ。
実に爽やかだ。
なのに。
そんな日に私は、ドン底に突き落とされた。
土曜の昼下がり。
開け放った窓からは、チビッコの遊ぶ声が聴こえる。
「どうしてよ...」
私は、もう何も言わない相手を静かに責めた。
「どうしてこんな突然...?」
何の前触れも無かったじゃない。
嘘でしょ?
嘘だって言ってよ、お願いだから。
「ねぇ...何で?何が悪いの?どこが悪いの?」
そっと手を伸ばし、その体に触れる。
熱を感じない冷たい体。
「...何か言ってよ...っ!」
私はその白い肌を思い切り、引っ叩く。
「..痛い.....」
相手はやっぱり静かに佇んでいて、結局痛いのは私の掌だけだった。
「...嘘つき...」
嘘つき!嘘つき!!!
何度も何度も、その体を叩いても
求めてる反応なんて、全然貰えなくて
私は痛む掌をギュッと握り締めて、何も言わないアナタを睨みつけた。
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作者名:rei | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時:2016年6月6日 19時