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YG「……へー」
シーンとした部屋…
秒針の音がやけに大きく聞こえる
「あのさ…」
部屋に入った時に覚悟を決めたの
ちゃんと気持ちを伝えて、
ユンギにちゃんと振ってもらおうって
そうしたら、
ちゃんと前に進めるかもしれないし……
YG「嫌なんだけど…」
「え?」
YG「さくらをあいつに取られんの。
本気で、嫌なんだけど?」
……何を言い出すの?
YG「知らなかったとはいえ
合宿で散々、しんどかったり、嫌な思いさせたから連絡スルーされんのも、我慢した。
けど、あいつには渡したくない…
前にも言ったけど、
さくらを失うとか考えられねーんだよ。
狡いのも最低なのも、俺」
「……違うよ。ユンギ、苦しめてごめんね」
YG「苦しいのはどっちだよ」
「私が…ユンギをっ……勝手に好きなだけだから。
テヒョンとは付き合わない……
けど、私達、もう終わりにしよう…」
それから、最後だって知りながらも
お互い、求め合って
お互い、泣きながら
何度も何度も、ひとつになった
YG「さくら……愛してる。」
「私も愛してるよ、ユンギ」
スヤスヤ眠るユンギの頭を撫でて、
明け方、そっと独りでマンションを出る
もう後悔はない。
愛を教えてくれて、ありがとう
大学の正門前の葉が色付いた街路樹を歩き、
部屋についてから
ひとりで、これでもかってくらい
声を上げて泣きじゃくった
きっと人生で、産声をあげた時以来の
泣き声だったと思う。
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作者名:mint | 作成日時:2017年7月3日 22時