Clear‐Crane‐Crime 7th【ars M.A】 (ページ24)

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234.そんなモン。ページ24

ゲラゲラ笑ってる明るいえろ2人。

「俺は悪戯されたくないから騒ぎにフロア行くけど、ニノどうする？」
「んー、ビールも飲みたいしオレも行こっかな」

Aはどうする？って、櫻井さんが訊いてくれる。

「でも子は腰砕けてるから動けないでしょ」

くっそー...二宮...全くその通りだよ、馬鹿野郎。

「智くんは？」
「おれは良いや」
「ん、分かった。ニノ、行こ」

2人がバタバタと階段を下りてった。

フロアに下りた櫻井さんと二宮さんは、妙に楽しそうに踊ってる。
何かクネクネしてる。
あれ、フザけてるな。
そこに潤さんもやって来て、更に楽しそう。

「智さん、行かなくて良いんですか？」

3人が余りにも楽しそうだったから、智さんに訊いてみる。

「んー」

曖昧な返事。
元々、賑やかな場所はそんなに得意じゃないんだっけ...

智さんの横顔を見ると、同じタイミングで彼もこっちを見た。
目が合って、ふっと笑い合う。

さっきまで櫻井さんが居たスペース分、するすると智さんが私に近寄って来た。

「相葉ちゃん、さっきさぁ...」
「はい？」
「気分、悪かったかな？」
「え？どうしてですか？」

ブースでは雅紀くんが、音の中で揺れてる。

「だって、おれ達セットみたいでしょ？」
「セット...」
「社長と、社長秘書」
「あぁ！」

本当だ。
言われるまで気付かなかった。

「雅紀くん、そんなの気にしないと思いますよ？」
「どうかな」
「だって、仮装が何となく揃っちゃったのもたまたまだし...」
「まぁ、そうなんだけどねぇ」

手摺の上で頬杖をついた智さんが、雅紀くんを見ながら呟く。

「おれなら、あんまり良い気分じゃないなぁと思って」

雅紀くんが、一瞬、ベースを見た...気がした。

もう彼の視線は、自分の手元。

「そんなモンなんですか...？」
「そんなモンだよ」
「.....」
「男なんて、そんなモン」

智さんが、ふふっと笑う。

そんなモンなのかな...。

「男の大半は、独占欲の塊だと思うよ？」
「智さんも？」
「おれも、結構そうだと思う」

意外。

「智さんでも嫉妬とかするんですか？」
「あはっ、するに決まってるでしょ」

雅紀くんを見てた智さんの目が、私を見た。

「するに、決まってるでしょ」

音楽がやんで、歓声が上がる。

フロアに目をやると、ブースで雅紀くんがお客さんを煽ってる。

「マサキ、抱いてー！」

二宮さんが大声で叫んで、フロアが笑いに包まれる。