Clear‐Crane‐Crime 7th【ars M.A】 (ページ17)

今日:7 hit、昨日:30 hit、合計:1,745,149 hit

227.ミヤビンナイト。ページ17

秋が深まって来た頃。

世間はハロウィンで浮かれてる。
思い思いの格好で街を歩く若者達。
賛否は別として、まぁ楽しそうだなとは思うけど参加した事は無い。

「今月末はMIYAVIN NIGHTだよ」

10月半ばに、雅紀くんが楽しそうに教えてくれた。
毎週末のお決まりで、お泊りしてる雅紀くんの部屋で夕食を食べ終えてコーヒーを飲んでる時だった。

「ミヤビナイト？」
「ううん、ミヤビンナイト」
「ミヤビン？」
「ハロウィンナイトに似せてんじゃない？『ハロウィン』と『ミヤビン』」

このネーミングを潤さんが考えたのか...？と思ったら、トンチキで可愛い過ぎる...。
何なの、潤さん。天使なの？

「年に一度のミヤビンナイト！Aちゃんも来るでしょ？楽しいよ！」
「それはやっぱり仮装必須とか...？」
「まぁそれは、ハロウィンだからね」

そうかー、そうだよなー...

仮装って何したら良いんだろう。やった事無いし...
看護婦とか婦警さん？それは仮装じゃなくってコスプレになるの？
え？仮装とコスプレの違いって何？一緒？

「雅紀くん、分かんない！」
「えっ！？」

救いを求めるように、向かいに座ってる雅紀くんの腕をガシっと掴む。

「なになに！？」
「仮装、分かんない！どうしよう！」
「アハッ、大丈夫だよー。ミヤビンナイトの仮装は『地味仮装のみ』だから」
「...地味...仮装...？」

余計に分かんないんだけど...。

「例えばね？ドラキュラとか、ゾンビとか、そーゆー定番の派手な仮装は禁止」
「...うん」

雅紀くんのドラキュラ、見たいんですけど。

「仮装してんだかしてないんだか分かんない仮装が、地味仮装」
「...ムズ！」
「面白いよ、あの人何の仮装してんだろ？って」

確かに見るだけなら面白そうだけど、自分も何か考えなきゃいけないとなると...

「去年は、MIYABIがマックになってた」
「え？」
「マクジュンナルド」
「アハハ！もしかして潤さんがすっごい笑顔で『スマイル0円！』とか言ってくれるの？」
「まっすーがそれは言ってたんだけど、潤くんはドナルドだった！」

ドナルドって...あのピエロみたいな、あれ？

「それ派手じゃない？って思ったんだけど面白すぎてさぁ」

去年の様子を思い出したのか、雅紀くんがケラケラ笑う。

「潤さんのドナルド、見たい！」
「あ、写メあるよ！」

見せて貰った白塗りの潤さんは

「...格好良いんだけど...」
「松本潤が隠せてないよね」

美男子、恐るべし。