Clear‐Crane‐Crime 7th【ars M.A】 (ページ12)

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222.TAME。ページ12

伸ばした手をグっと引っ張られて、私の上体も起こされる。

向かい合わせになった雅紀くんが「ちょっと待ってね？」ってモゾモゾ動き、私をちょっとだけ抱き上げて胡坐を組んだ彼の脚の上に座らせた。

彼の身体を跨ぐ為に脚を開いたから、浴衣は太腿まで肌蹴てしまってる。

恥ずかしくて俯くと、顔を掬い上げられるように下からキスされた。
何だか、甘えてる猫みたいな仕草に胸がキュウ...と縮む。

「ねぇ」
「......」
「脱がせて？」
「...え...」
「これ」

雅紀くんが、自分の浴衣の襟を指に引っ掛けた。

「Aちゃんが脱がせてよ」

つい数秒前まで、甘えた表情だったのに。

もう、それすら思い出せない位の目をしてる。

「...私、が...？」
「うん」

雅紀くんが、少し顎を上げる。

遠慮がちに彼の浴衣の襟元に両手を滑り込ませると、そこは汗ばんでいて熱い。

そのまま手を脇腹の方へズラすと、浴衣は薄くて広い肩を滑り背中に落ちた。

「フフッ、涼しい」

雅紀くんが上を向き、首を軽く振った。
髪が揺れる。

「Aちゃん、何かやらしい顔になってるよ？」
「...そんなコト無いと思うんだけど...」
「ホント？」

目を細めた彼の指が、私の唇の輪郭をなぞる。

薄く口を開くとその隙間に、指が滑り込んで来た。

「...んっ...」

突然の事に、声が漏れる。

「久し振りだね」
「......」
「Aちゃんの中、触んの」

雅紀くんの人差し指が、歯列や頬の裏を撫でる。

治療の時に、何度も触られてたはずなのに

...あの時と、全然違う。

呼吸の仕方も忘れてしまったように、息苦しくなって

口を閉じかけた拍子に、彼の指を軽く噛んでしまった。

だけど、雅紀くんにはそうなる事も予定通りだったのか

「痛いなぁ」

そう、呟いた後に

「舐めてよ」

笑った。

「痛いから、舐めて？」

頬にキスをしながら、耳元でもう一度言われる。

もしかしたら私は冗談じゃ無く、少しづつ調教されてるのかもしれない。

『雅紀くんのモノ』になるように、ゆっくり、ゆっくり。

私の口に入れられてる指と、反対側の指が

背中のホックを、パチンと外した。

耳朶に、唇が触れる。

首筋に、舌が這う。

胸元に、睫毛が当たる。

私の身体は雅紀くんに抱えられたまま、ベッドに寝かされることは無く

彼の上で、揺らされ、鳴かされ

「...キモチイ」

笑いを含んだ熱っぽい彼の声に私の中の色んな物、グチャグチャにされてるような気分になった。