9-9.相談 ページ9
彼も彼で悩んでいたということが、声色から感じ取ることができた。途端に居心地が悪くなる。頼りになるから時々忘れてしまうけれど、彼も私と同い年の中学生なのだ。
カーテンの向こうは静かすぎるくらいで、今さらだが保健室の先生は席を外しているのかもしれないと思った。
「……剣城くんのせいじゃないよ。剣城くんのおかげでサッカーに集中できたし、本当に……」
彼ばかり喋らせてしまったことが心苦しい。それから、彼が悩んだのは私がきちんと話さなかったからだということも。一言、「心配してくれてありがとう」だとか、「解決したよ」ぐらい添えていれば良かったのに。
「人に何かを相談するのが……その、苦手で……迷惑かけたくなくて……」
そもそも自分の悩みごとが情けなくて、人に言うのが恥ずかしいという気持ちもある。
誰かに相談したとして、周りの人はそれを笑ったり軽く流したりはしないと思う。だからなおさら相談しづらいのだ。何かを相談すれば真剣に向き合ってくれると思うからこそ、余計な心配をかけたくはないし情けないところを見せたくない。
ただ私の、そのたかが知れているプライドを捨てる機会も時にはあるのではないかと思う。
「……誰かに直接言われたわけじゃないけど」
自分の胸の内を正直に話すのは難しい。息が詰まって、途端にどこから話せばいいのかわからなくなる。そればかりか、ともすれば涙さえ込み上げてくるので困ったものだった。
「私が、剣城くん目当てでサッカー部入ったんじゃないかって……言ってる人がいて……」
剣城くんは驚いた表情でこちらを見た。それから不機嫌そうに歪んだ。
「……どうして」
言わなかった、と言いたいのだろう。しかし、先程の自分の発言を思い出したのか彼は言葉を途切れさせた。
「ただの噂だし……」
私は手持ち無沙汰になって手元のシーツを手繰り寄せた。
「大したことないから」
「そんなことない」
「そんなことあるよ」
ぴんと張り詰めた空気に息がしづらくなって私は笑ったが、彼はちっとも笑わなかった。＿＿こうなるから、私は言いたくなかったのだ。彼は優しいから。
「……うん。やっぱり、ちょっとは……むかついたかも」
剣城くんはわずかに表情を和らげた。
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春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました！ (2021年3月6日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！ 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです！ (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2021年2月20日 21時
