9-6.フラッシュバック ページ6
雷門中は大きな学校だ。さまざまな生徒がいることはわかっているつもりだった。だがわかっているつもりでいることと、実際にわかっていることは全くの別物である。
その結果、噂はよくない方向に転がり始めていることを、私は嫌でも知ることになった。
翌日、登校した時のことだ。廊下には生徒がごった返している。
ふと、たむろしていた女子グループが話している内容が聞こえた。本人たちは自分たちの間だけで話しているのだから、誰かに＿＿あわや私に聞かせるつもりなどなかったのだろう。これは完全に事故だ。
「あの人、剣城くん目当てで入部したんじゃない？」
身体が締め付けられるように強張った。
「それ思った！」
「でもけっこう試合出てるらしいし、サッカーはうまいんじゃないの？」
「剣城くんから監督に口添えしてもらってるとか？」
気にせずさっさと教室に入ればいいものを、脚が動かなくなってしまう。それでいて、「そんなつもりで入部したんじゃない」と咄嗟に訂正できる度胸もないのだ。ただの噂に一番踊らされているのは自分だ＿＿なんて情けない！
グループの内の一人が私が固まっていることに気付き、「本人いるし、もう行こうよ」とグループの子を引き連れてその場を離れて行った。
「A！ おはよう！」
後ろから天馬くんの弾むような声が聞こえてきて、やっと金縛りが解けた。振り返って「おはよう」と返す。
「教室行かないの？」
「あー、今から行こうと思ってたとこ……」
「そっか！」
「じゃあ行こうよ！」と天馬くんが私の腕を引っ張って教室に連れて行く。彼の存在は心強かった。
噂だ、ただの噂。根も葉もない。事実無根の噂だ。あの時とは違うのだから、堂々としていればいい。
そう思うのにできない。
.
「サッカー部の部員ともめたマネージャーってあの子？」
私が前にいた学校は、学校そのものの規模が小さくて生徒数も少ない。だから、サッカー部での一件はあっという間に学校中に広まった。
「大人しそうなのにね」
「サッカー部から追い出されたんでしょ」
「かわいそー」
これは事実無根なんかじゃない。私が悪い。どんどん居心地が悪くなって、私は逃げ出してしまった。
だが今回は違う。私も剣城くんも、もちろんあの後輩の子も、誰も何も悪くない。
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春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました！ (2021年3月6日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！ 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです！ (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2021年2月20日 21時
