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9-4.蔓延 ページ4

登校した時から違和感を感じていた。

 その日は朝練がなく、私は朝のランニングをしてから比較的ゆっくり登校したのだが、何となく見られているような感じがした。


 いつも通り教室に向かい、自分の席に座ったところで同じクラスの女の子二人組が話しかけてきた。初めて話す子だ。
 彼女たちは嬉しそうな、それでいてこちらの様子をとても気にしているような表情をしていた。

「あのさ、Aさんって剣城と付き合ってるってほんと?」

 思わずぎょっとした顔を向けてしまった。朝一でされる質問にしては重すぎて胃がびっくりしてしまう。
 加えて、彼女が剣城くんのことを呼び捨てにしたことにも、私はひどく動揺していた。

「ち、違うよ! そんなんじゃないし……だ、誰から聞いたの?」
「サッカー部のファンの子がみんな噂してたよ?」

 __一年女子の間で噂になってますよ!

 サッカー部の後輩の、はつらつとした声が脳内に響く。二年生にまで広まっていたのか。この調子だと三年生まで巻き込んでいるかもしれない。そう考えるとどっと身体が重くなった。

「あっ、もしかして部活内恋愛禁止だから秘密にしてたとか……?」

 二人の表情が途端に申し訳なさそうになる。

「だから違うって__」


 その時、教室の扉が開いた。今は登校時間かつ、朝のホームルームが始まる前の休み時間のようなものなのだから誰が入ってきてもおかしくはない。ただ、“噂をすれば何とやら”という言葉が脳裏をよぎった。

「あっ! 剣城!」

 __どうして今! その叫びはとうとう声にはならなかった。この噂が流れていることを、どうにか彼には知られたくなかった。何故かはわからないけれど。__そもそも、彼が噂を知らないという保証もないけれど。

「ね、剣城ってAさんと付き合ってんの?」

 ひ、と喉から引き攣った声が漏れた。小さすぎて周りの誰一人として聞こえなかっただろうけど。

 剣城くんは二人に訝しげな顔を向けて、次にその後ろにいる私に視線を送ってきた。どういう表情をすればいいのかわからず、ただ見つめ返すだけになってしまう。

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作品ジャンル:アニメ
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春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました! (2021年3月6日 19時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか? (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます! 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです! (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春間 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/april_hrm  
作成日時:2021年2月20日 21時

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