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4-20.続投 ページ20

得点は0対1のまま前半が終了した。
 体力の消耗が激しく、ベンチに戻ってもみんなまだ息が整わないようだ。



 もう少しで届きそうだった。けど、白恋の選手の方がもっと高く飛べる。
 かと言ってあれ以上ボールを高く蹴り上げてしまうと、今度は私がボールに届かない。一体どうしたものか。貴重なシュートチャンスを無駄にしたくない。


 一人で悶々としていると、倉間先輩が「おい」と低いトーンで声をかけてきた。苛立っているような声色に身体が強張る。先輩は何に怒っているのだろう。シュートを打てず、相手選手にボールを取られたことだろうか。もしかしたらそれ以外で雷門の邪魔になっていたかもしれない。心当たりがありすぎて絞れなかった。
 おそるおそる振り返る。倉間先輩の表情はいつもと同じなのか、それとも怒っているのかわたしには判断できない。

「あれは必殺技か」

 全身からどっと汗が吹き出る。上手く口が動かずしどろもどろに「はい」と答えると、倉間先輩はむっと口を尖らせた。


「この馬鹿」


 不満の募った声にびくりと肩が跳ねる。
 私が「すみません」と言葉にする前に、倉間先輩は口を開いた。


「あるんならもっと早くに言えよ。じゃないとうまく連携できねえだろ」


 ぽかんとしながら倉間先輩を見る。彼は「ンだよ」と言いながら無造作に頭をかいた。

「あっ、す、すみません。でもまだ完成してなくて……」
「あー、そういうことか」
「はい……」

 倉間先輩はそこで話を切り上げて、神童先輩たちのいる方へ行ってしまった。



 そういえば、後半は当日の様子を見ると円堂監督は言っていたが選手交代はないのだろうか。監督に目をやると、天馬くんと何やら話し込んでいた。

 話しかけるタイミングを掴めないまま、後半開始のため私はまたフィールドに立った。

4-21.諦観→←4-19.届かぬ光



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作品ジャンル:アニメ
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春間(プロフ) - 桜星。さん» コメントありがとうございます! 助かります……! (2021年2月25日 14時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
桜星。 - 4-3「怯え」の三行目、天馬のセリフが「次の試合こと」になっていますが、恐らく「次の試合のこと」ではないでしょうか。 (2021年2月25日 13時) (レス) id: 15148237ac (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - なすびさん» ありがとうございます! 楽しみにしてくださってとても嬉しいです。頑張ります!! (2020年8月26日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 続編おめでとうございます!剣城くん抜きで試合がどうなるか楽しみです! (2020年8月26日 16時) (レス) id: c22c2e84dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春真 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/april_hrm  
作成日時:2020年8月26日 12時

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