41. 混乱する一同 ページ4
翌日。私と優一さん、天馬、フェイは、まずサッカー棟に向かうことにした。因みに、ワンダバは庭で洗車に励んでいる。泡だらけのTMキャラバンを見て、サスケや秋さん、木枯らし荘の住民は困惑していた記憶がある。未来の技術をもってしても、前時代的な洗車をするのだなあと思いながら木枯らし荘を出た。
サッカー棟に入ると、神童さんは天馬に遅刻を咎めた。そして優一さんの姿を見るなり喜んだ。しかし、私とフェイを見ると、知らない人に接するかのように対応した。
私は驚いた。京介だけでなく、私のこともサッカー部員には忘れられている。話を聞けば、そもそもサッカー部に入部していないと言うではないか。
「こうなったら全員に協力を求めるしかないね」
フェイはそう言うとワンダバを呼び、皆の前でパラレルワールドの説明を始めた。要約すると、今のサッカー部員は偽りの時間の中にいて、優一さんは歴史を正常に戻したいという内容だ。
当然混乱・困惑する一同。しかし、SF3級を取得している茜先輩が内容を噛み砕くように説明を繰り返してくれた甲斐もあり、理解は円滑に進んだ。
彼らに説明をしたのは、この後アルファ達と戦うために大きな戦力となるからだ。フェイのデュプリだけでは次の戦いに対応できないだろう。
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そして、次は京介に会いに行くことになった。優一さんは商店街裏にある路地のゲームセンターにいるだろうと予測し、私もてっきりそこにいるだろうと思っていた。しかし、実際はそこにいなかった。
「…剣城、どこにいるんだろう」
「おかしいな。この時間帯ならここにいると思ったんだけど。ということは、Aちゃんの家かな」
「…Aの家?剣城とAは親しいんですか?」
「うん」
天馬と優一さんの会話を聞きながら、その「私の家」とは何処だろうと考えた。今の私は木枯らし荘に住んでいるが、元々は家がなかった。シードになる前は孤児だったというから、今までは孤児院にいたと考えるのが妥当だろう。
「俺はAちゃんの家を訪ねてみるよ。Aちゃん達は辺りを捜してくれ」
「私も行きます」
「この世界の君と遭遇するとマズい。俺もすぐに合流するよ」
優一さんはその場を去ってしまった。私とフェイ、天馬、ワンダバは顔を見合わせる。結局、それぞれが捜索に出かけ、見つけたら互いに連絡をすることになった。
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ルナストーン(プロフ) - …っ!?(何が言いたいか:最初から照れさせる気だったんですかぁっ!?) (2020年10月12日 0時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 読者の方を照れさせるつもりで書いたので良かったですー!ハハ (2020年10月12日 0時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ぁ…因みになんですが…消しても大丈夫です。僕は…。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ([甘い戯れ]の後のやつの最後に向けてなのです)こちらも見ていて何故だか恥ずかしくなります。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 夜月さん» 見てみたいですね〜。いえいえ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:充滞 | 作成日時:2020年10月10日 21時