57. 6年前の西公園 ページ20
結局、来たのは神童さんと信助のみだった。時間が必要以上に経過することで改変された歴史の変更の難易度が上がるのを危惧し、フェイはすぐにタイムジャンプすることを決定した。
「...わぁー、普通のバスみたいだー！」
「これに乗って、目的の時代まで飛ぶのか？」
信助や神童さんは不思議そうにTMキャラバンの中を見る。フェイはそれに応えた。
彼らを私はじっと後ろの席から見ていた。
私の知る二人ではない二人。本来の信助や神童さんではない二人。
「タイムジャーンプ！！」
外の空間が虹色の空間に変わる。ワームホールだ。
独特な浮遊感がしている。このゆらゆらには慣れないが、酔いは来ない。心地よい揺れにも思える。その時、ぐんと重力感が襲った。皆が前に倒れる。
「すまない。諸君、怪我はないか」
「僕は大丈夫だよ。みんなは大丈夫？」
「大丈夫」
前言撤回。酔いそうだ。
＿＿＿＿＿＿
6年前の西公園に到着した。私たちはTMキャラバンから降り、辺りを見渡す。
「剣城先輩。ここが...？」
「ああ。事故の起こった場所だよ」
神童さんと優一さんが話しているのを後目に、私はじっと公園に設けられた時計を見つめていた。四角い灰色の時計だ。それは昼11時を指していた。
フェイやワンダバはTMキャラバンに再度入って調整をし、天馬や優一さんは前に進んで剣城兄弟の姿を探す。神童さんや信助はその後を追った。私は彼らの後をゆっくりと追いながら進む。
先程から頭がぼうっとする。体調は明らかに万全ではなかった。だが、体調が優れないという理由で皆の足枷になるのだけは御免だ。足を引っ張るために共にタイムジャンプをしてきたのではない。助けになるために、そして同じ時を冒険するためについてきたのだ。それを忘れるな、自分。
とても広い公園だ。遊具が豊富にあり、寛げる場所も多くある。ロケット型オブジェは待ち合わせスポットとして良いし、稲妻型の地が浮かぶ大きな池もユニークさがある。アスレチックもあり、子供の遊ぶ場として最適だ。
現に子供が走り回っている。広いこの公園では、目的の兄弟を探すのに少し時間がかかりそうだと思っていると、意外とすぐに見つかった。優一さんは確信をもってその方向に進み、その先に目的の人物はいた。
「ここに隠れよう」
優一さんの声かけにより、私たちは物陰に隠れた。途中でフェイとワンダバが合流した。
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ルナストーン(プロフ) - …っ！？（何が言いたいか:最初から照れさせる気だったんですかぁっ！？） (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 読者の方を照れさせるつもりで書いたので良かったですー！ハハ (2020年10月12日 0時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ぁ…因みになんですが…消しても大丈夫です。僕は…。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» （［甘い戯れ］の後のやつの最後に向けてなのです）こちらも見ていて何故だか恥ずかしくなります。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 夜月さん» 見てみたいですね〜。いえいえ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年10月10日 21時
