看護師の涙7 ページ31
智side
あのあと嵐谷さんと話す気満々の雅紀を潤が気を使って連れて行ってくれて、今は僕の部屋に二人っきり。
潤の入れてくれた紅茶を啜って、そのあと話を切り出そうとティーカップをソーサーの上におく。
カチャリという音を聞いたあと、僕は口を開いた。
「何かあった…んだよね？僕で良かったら話聞くよ？」
話聞かせてって言った方がよかったかな。
これじゃあ大丈夫って言われればそこまでになっちゃう。
なんてぐるぐると思考を働かせていた僕はさっきの車の中の時のように、ハッとした。
嵐谷さんはさっきよりもはっきりと泣いていたから。
A「私が…私が悪いんです。全部私が…」
涙を流しながら小さく小さく言う嵐谷さんはいつもの頼りになる彼女ではなく、泣きじゃくる女の子みたいに見えた。
だから僕はそんな彼女の頭を、自然と撫でいた。
こんなことぐらいしかできることはなかったけど、今はこんなことだけでいいかなって。
なんとなくそう思った。
それから少し落ちついて全てを語ってくれた嵐谷さん。
自分が医療ミスをしてしまい周りの人達の態度が変わっていったこと。
その医療ミスは、言われた通りの薬を投与したが、自分のミスになっていたこと。
そしてそのミスを自身が納得した上で被ったこと。
それを聞いた僕は、もっと早く気づいてあげられなかったのかと思った。
とっても、とっても辛かったはずだよね。
「辛かったよね。ごめんね。もっと早く気づいてあげられればよかった」
僕がそう言うと首を横にふった彼女。
そして涙で濡れたその表情が僅かに明るくなった。
A「謝らないでください。智先生は何も悪くないんですから。それに私、毎日毎日…智先生に元気もらってたんです。今もこうやって話を聞いてもらえて、いっぱいいっぱいだったものが一気に軽くなって」
「僕は何も」
A「いえ。こうやって一緒にいるだけで元気になれるんです。だからそれだけでいいんです。智先生って…不思議な人…ですよね」
そんな言葉が素直に嬉しかった。
「不思議な人かー。なんか嬉しいかも」
そう言って僕は嵐谷さんと笑いあった。
その笑顔を見て本当に少しは元気になってくれたのかな。
でもやっぱりこのままって訳にもいかない。
明日、僕にできることをしなきゃ。
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Rui(プロフ) - すーたんさん» コメントありがとうございます！一気に読まれたということで、おつかれ様でした（笑）そしてありがとうございます！それにずっと応援してもらえるなんて感激！これからも頑張ります(^-^)/ (2013年11月18日 22時) (
レス) id: 15880654f1 (このIDを非表示/違反報告)
すーたん(プロフ) - 初めまして！！今日このお話を見つけて一気読みしました！！ずっと応援しています。頑張ってください！！ (2013年11月18日 21時) (レス) id: ddb6fe2898 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - ジャスミンさん» それならよかったです！安心しました(￣^￣)ゞ今後もよろしくお願いします！ (2013年10月23日 17時) (レス) id: 15880654f1 (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン - いえいえ大丈夫です。ご安心を。 (2013年10月23日 17時) (レス) id: fce6279bd2 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - ジャスミンさん» コメントありがとうございます！ナースのお仕事、再放送を何度か見たことがあります！意識していなかったのですが、似通ってしまっていますでしょうか(^^;;？それならすみません。今のところ恋愛関係になる予定はありませんが、今後もしかしたら…（笑） (2013年10月23日 17時) (レス) id: 15880654f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年8月21日 3時
