Episode 17 ページ17
ずっとつついてくるマンちゃんの手を優しく、
優しーく弾いて立ち上がる。
『はいもう髪かわいたんでお風呂はいってきまぁす!』
「まだ完全にかわいてないんですけど〜?」
うっつんがニヤけてることが声のトーンから分かる。
あぁもう人生最大、痛恨のミスだ。
無自覚ってほんとに罪だ。どうしてあんなことをやってしまったのか。
顔の火照りが収まんねぇ……
『知りませーん。自分で乾かしてくださぁい』
自身の顔の火照りを誤魔化すように言うと
ちゅめたいという言葉が後ろから聞こえてきた。
知らんわと思いながら服を取りに自室へ向かおうとすると
マンちゃんのきもーいという貶す言葉も聞こえてきた。仲良いなーあの二人。
「ノア、言い忘れてたけどお風呂のお湯入れ替えといたから
んじゃごゆっくりー」
服を持ってお風呂場に向かうと、うっつんがすれ違いざまにそういった。
とりあえず返事をしておいた。
別にかえなくてよかったのにな、と思ったのは私だけの秘密である。
_______________
疲れが吹っ飛んだ気がする。
お湯につかった瞬間気の抜けた声が出てしまったが、
私以外誰もいないわけだし、良しとしましょう。
それにしてもいい意味で疲れたな。
二人がいるからだろう、騒がしくなった。
前の私、今の私、どっちが好きかと言ったら
圧倒的後者だ。自分でもそう思うほど変わった。
そんなことを考えながら、長いことつかっていた。
……上がろう。お湯がビックリするほど熱かった。
逆上せる。
湯船から上がり
体を洗ってお風呂場から出た。
リビングに入ると、二人がそれぞれくつろいでいた。
『上がったよー』
あぐらかいてスマホをポチポチいじっていたマンちゃんは私が来たことに気づき
ドライヤー片手に手招きをしていた。
んー嫌だなー拒否権ない感じなんだろうなー。
「乾かしたるからこっち来てー」
『あ、結構ですー』
「ドライヤー持ってんの俺ー」
『やーん(棒)』
容赦のよの字もなく
腕を引っ張られ、マンちゃんの足の間におちつくかたちになった。
二人の髪を乾かす時、言うほど近くはなかったし、
私が後ろだったから別に良かったんだが、
なんだろう……後ろにいられるとすごい落ち着かない。
声が近い……。
ふと、水を飲んでるうっつんに目を向けると
上下する喉仏に目がいってしまった。
見ていることに気づいたうっつんは首を傾げていた。
とりあえず無言で親指を立てておいた。
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くれいのあ(プロフ) - BANDさん» ありがとうございます!<(_ _)>〈 ゴン!〕 (2021年5月30日 7時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - あ、はい。神作ですねありがとうございます(((スライディング土下座))) (2021年5月30日 1時) (レス) id: cb43568772 (このIDを非表示/違反報告)
月琴(プロフ) - 漣@えなみずつよいさん» わぁありがとうございますゥ!お母さんだよこんにちは(?) (2021年2月26日 22時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
漣@えなみずつよい(プロフ) - 尊すぎてオンギャアです()赤ちゃんに戻りましたこんにちは (2021年2月22日 17時) (レス) id: 4335f2c288 (このIDを非表示/違反報告)
月琴(プロフ) - 天さん» 出来るだけ早めに頑張っていきますはい。受験シーズン終わったら今より更新していく予定ですのでッ(多分.......) (2021年1月17日 20時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月琴 | 作成日時:2020年11月23日 9時