１５３：不思議で、それでいて素敵だと思った ページ3
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そんなアナウンスと共に広がった帯状の星に、思わず わあ… と感嘆の声が漏れる。
W『 ………キレイだね 』
その言葉は、私に向けられたものではないとわかっているのに。不意に耳元で囁かれたそれに、条件反射のようにドキッとしてしまった。
「 ……日本だと、織り姫様と彦星様が会えるように、七夕の日は雨が降らないようにってみんなお願いするんです 」
心臓の高鳴りを誤魔化したくて、広がる星の輝きを見つめながら口を開く。
W『 そうなの？韓国とは逆だね 』
「 えっ、そうなんですか？」
W『 うん。韓国だとね、雨が降ったら2人が無事会うことが出来て、嬉し涙を流してるって言われてるんだ 』
「 …雨が降るのを願うってことですよね。……うわあ、ほんとに日本と逆なんですね 」
不思議だね とこちらを見て笑ったウォヌ先輩に ですね と私も笑みを浮かべる。こんな些細なことすらも幸せだと感じてしまうのだから、私もとことん重症なのだ。
先輩とほぼ同じタイミングで目を逸らし、再び天井を見上げる。
私は、9月になれば日本へ帰らなければならない。だから 永遠に なんてことは、絶対にないというのに。それでも、まだ先輩の隣に……ずっと彼の隣に、いたいと思ってしまう。
時間の許す限り、先輩の隣にいさせてほしい。友達 としてでも良いから。……視界いっぱいに広がる星の輝きに、私は心からそう願った。
［ 夏は天の川が幅広く、また、明るく見ることが出来る季節です。1年の内、気軽な服装で空を見上げられるのも、夏。暑い日中が終わり夜になると、空には一等星を中心にした星達が瞬き始めます。どうぞ、今度はほんとうの星空で、今日ご紹介した星座を見つけてみてください ］
アナウンスが終了すると、館内も徐々に明るくなっていった。上映時間は40分ほどだと聞いていたけれど、そんな感覚はあまりなかった。それぐらい、あっという間だった。
W『 …キレイだったね 』
余韻が残り、座席シートに背中を預けたままの私に、先輩も全く同じ体勢でそう言ってきた。
視線をそちらに移すと、ひどく優しい眼差しをこちらに向ける先輩と目が合った。彼がこの表情を浮かべているというのは、予想通りだったかもしれない。
キレイ という言葉が私に向けられたものではないとわかっているのに、それでも、直接そう言われると、やはりドキドキしてしまう。
このときめきを、先輩に知られるわけにはいかない。
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アオコ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます！もう文面から作品を楽しんで頂けたのかなっていうのが伝わってきてそれだけで私は幸せです…！私も10時10分に返信すれば良かったって今後悔してます笑（TMI！！） (2021年8月28日 21時) (
レス) id: 5d8cfe873d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 全く関係ないんですが、今書いてる時間が10時10分で運命感じてます笑笑 (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 前作も合わせて、とても素敵な物語でした!私はずっとウォヌ派でした（笑）。前作のホシさん存在と、星に願う。と言うタイトルをかけたのかなあって思ってましたが、予想は外れてました（笑笑）。楽しかったです!ありがとうございます！ (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2021年1月24日 20時
