通訳ヌナと…【Jungkook：6】

もっと -Jungkook- ページ16

背中に感じるヌナの身体。
久しぶりで、もう…

別にヌナがそういう意味でしてるんじゃないのはわかってるけど、
勝手に僕がそういう気持ちになる。

ならざるを得ない。

肩に置いたヌナの頭の重みとか、
鼻をすする音とか。

ヌナが画面を見てるかもしれないから、
変に思われないよう適当にゲームは続けてるけど、
すっごくしんどい。


「ヌナ…ちょっとじゃないですね」

情けなく、
たったこれだけのことで反応しだした僕の身体。

その気ではないヌナに嫌味ったらしい言葉を吐くと、
謝りながら身体を離した。

けど僕はもうその気になってるのに！
させられたのに！

ここでもまたイラッときてしまった。
自分に。

「もういいんですか？」

「え？」

「もう満足できましたか？」

ヌナはこれだけでいいの？
何も思わないの？
その気になったのは僕だけなの？

「グク？」

「はい」

イラッとしながら答えるも、

「もし…まだだって言ったら…もう少ししててもいいの？」

………え？
今…なんて言った？

まだだって言ったら？

ってことは、
まだだってことだよね？

もう少ししててもいいか？

ギュッとしていいか？って聞いてきたり、
どうしたの？

求めて欲しいって願ってたくせに、
いざそうされるとパニクって、
聞き間違いじゃないか？って我が耳を疑う僕。
なんなの？

「グク？」

しかもその口調。
なんでそんなに不安げに聞いてくるの？

「どうぞ」

なんてことない。
動揺なんかしてない。

平静を装って言葉を口にするのは慣れた……けど。

再び背中に感じるヌナの身体。

しかも…！

さっきもそうで、
だから今もまたかって思ったんだけど…！

首に触れたヌナの顔…というか唇！

しかも！

唇で首を優しくついばむようにして！

これはたまたまそうなったんじゃなく、
わかっててやってることで！


なんだろう…

僕が頑なに積み上げてきたもの。

硬くなったそれを
自分で崩すことはできなかったのに、
ヌナの唇が動くたび、
積み上げてきたものに簡単にヒビが入り、
ボロボロと…少しずつ崩れていって…


「ヌナ」

「ごめんっ…私…」

また謝って離れたヌナ。

だから…離れないでってば。

やめないでよ…お願いだから。


「じゃなくて、するならもっとちゃんとしてくれません？」

ボロボロと崩れ始めてしまった状態で、
もう平静を装って偽りの態度をとったり、
言葉を口にするのは無理だった。

え… -Jungkook-→←彼女 -You-

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