15歳 -Jungkook- ページ10
「A…お前がぐずぐずしてるうちに、男できてたらどうすんの?」
「いいです。僕の方を好きになってもらえるよう頑張ります」
「あっそ。ならいいけど。ま、あいつ今男いねぇけど」
「え?」
「男はいねぇけど、今月末でいなくなるかもよ?ね、セジンヒョン」
「どういう…ことですか?」
「最初から今月末までの契約だったんだよ。でも会社としては契約更新をしたくて話し合いを持ったけど、彼女はどうしても今月末で辞めたいって…今は保留中の状態」
「今月末?え…嫌です…無理です!ヌナがまたいなくなるなんて…僕もう無理です!」
「ならお前がなんとかしろよ。あいつにいなくなられると、お前以上に俺らが無理なんだよ。壊れたお前の世話すんの、5年もやって…もういい加減疲れた」
「ヒョン…でも、僕…」
さらにぐちゃぐちゃになった顔をユンギヒョンに向け、
そうは言っても、
ヌナがどこに行ったかもわからないのに、
どうしたら……
と、思っていたら。
「事務室にいるって」
「え?」
セジンヒョンの声が聞こえ、
慌ててヒョンの方を見た。
「駐車場に入る時、近くで見たんだよ。だから連絡してみたら、忘れ物を取りに来たって。だから…少しそこで待ってて欲しいって……言った」
「ヒョン」
「マネージャーの俺が恋愛を勧めるなんて…社長になんて説明すればいいのか。でもまぁ…お前がこれで本当のお前の姿に戻るのなら…悔いはないよ」
「ヒョン…ありがとう…ございます」
車から降り、
一人一人、みんなの顔を見てから…
深く頭を下げた。
そして袖で顔を拭い、
全速力で走り出した。
あの時と重なる。
香港でヌナを見つけ、
僕の視界から消えるヌナを追いかけたあの時と。
そして…
食堂で、ヌナの手紙を見て、
ヌナを探し、走り回ったあの時と。
15歳のあの時の僕と、
今の僕が重なる。
いや…
重ならない。
だって僕は、
あの時のままだから。
あの日のままだから。
ずっと。
気持ちも身体もずっと。
ずっと5年間、
あそこにいたままだったから。
近づいてきた事務室。
他に誰かいたらどうしよう?
でもそんなのどうだっていい。
ヌナがいてくれればいい。
走って、走って…
止まることなく勢いのまま開けたドア。
「ヌナ……ヌナ!Aヌナ!」
ここは事務室じゃない。
ここは食堂だ。
ドアを開け、
ヌナと叫ぶ僕は…
15歳のあの日の、
あの時の僕だった。
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がほ(プロフ) - RxSさん» R×Sさん(T_T)癒されてるだなんて…本当ですか?ありがとうございます。お子様もペンちゃんなんですね。話が出来て嬉しいけど、チケットとなると困りますね。また少しでもR×Sさんの癒しになれるよう、早めに更新頑張りますね^ ^ (2019年11月26日 20時) (レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - 名無し24407号さん» ありがとうございます!!今日下書きをしてました!待って下さる方がいるのは本当に励みになります!もう少しだけお待ち下さいね^ ^ (2019年11月26日 20時) (レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - カレンさん» カレンさん(T_T)なんて嬉しい、ありがたいお言葉。私にはもったいないくらいなんですが、本当に嬉しいです。心情が…と言って下さるの、本当に嬉しいです!文字で出来る限り上手に伝えたくて、それが伝わってもらえたのは(T_T)更新、もう少し待って下さいね! (2019年11月26日 20時) (レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - キムさん» おぉ!ホビの魔法すごい!さすが!オーラ感じましたか?ですよね?上手く言えないんですが、本当にすごかったです!余韻に浸りつつ、ゆっくりと書き始めていきますね^ ^ありがとうございます。 (2019年11月26日 20時) (レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ゆーさん» ゆーさん!いつもいつも嬉しいお言葉、本当にありがとうございます(T_T)衝撃的すぎて、当日はどうなることかと思いましたが…徐々に落ち着き、今日少し下書きしていました。けどあの日のグクを思い出し、一人興奮^ ^更新もう少し待って下さいね! (2019年11月26日 20時) (レス) id: ebe247b3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2019年10月19日 13時