降参 -Jungkook- ページ25
Aさんのように目を見て話すことはできなかった。
けど、自分が思ったこと。
それを言葉にして、
僕なりに一生懸命Aさんに伝えた。
「本当に？」
「本当です」
「なら……」
なら……と言って、
止まってしまったAさん。
続きが気になってチラッと…
Aさんを見た瞬間。
目が合った！と思ったら、
まるで僕が見るのを待っていたかのように
ニコッと笑ってくれ、
「ありがとう」
ほら…
Aさんはやっぱり真っ直ぐすぎる。
ダンスしたり走ったり運動して息が上がり、
まるで身体全部が心臓になったみたいに
ドキドキすることがある。
けどAさんは、
たった一言とか、
ちょっと話したりとか、
笑ったり、仕草とか、
そんなちょっとしたことで、
簡単に僕を、一瞬でその状態にさせる。
徐々にそうなる前者の場合と違って、
Aさんは一瞬で僕をそうさせるから、
息は詰まるし苦しいし…
「降参です」
立ち上がってAさんに背を向け、
ペットボトルの水を一気飲みした。
「コウサン？何が？」
「何も言ってません」
「嘘だ。今言ったじゃん。コウサンって何？何のこと？」
何で降参なのか…
そんな説明、
興味津々で僕を見るAさんにできるわけはない。
「高校三年生だなぁ…って言ったんです！言ってることとか…Aさんはやっぱり大人です！」
「その高三か…でも大人じゃないよ、変わらないよ。たった三つだし」
「変わります」
「わかってる…だからAさんってさん付けだしね？」
「だから…そういう意味でAさんって呼んでるわけじゃなくて…」
僕が困った顔して話してると、
ふにゃっと顔を緩ませて笑ったAさん。
変わらなくなんかない。
僕より遥かに大人で、
可愛くてきれいなAさん。
まだ子供で、
垢抜けない僕とは不釣り合いなほど。
「じゃあ…大人な私が、大切なことを教えてくれた中学生のグクくんにご馳走してあげる」
「はい？」
「お腹…空いてない？」
お腹…空いてるけど…っ！
「そんなっ…とんでもないです！」
「空いてないの？」
「空いてますけど…そんな、ご馳走とか…とんでもないです！」
「わかってないな…そうはいっても私もまだ高三だよ？バイトはしてるとはいえ、本当の大人のお姉さんとは違うんだよ？だから……あそこ」
立ち上がって、
笑いながらAさんが指差した所。
コンビニ。
近いけど遠くて、
遠いけど近くて…
この人に…
もっともっと近づきたい。
可愛い -Jungkook-→←僕の存在 -Jungkook-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2334人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がほ(プロフ) - レイコさん» なんてことでしょう！そんなにも！ありがた過ぎて、本当に感動してます(T_T)私もたまに読み返すんですが、その度、誤字に気づくことがあって電話お恥ずかしいです(T_T)これからも読み返してもらえるようなお話を頑張って書きますね^ ^ (2021年10月24日 21時) (
レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 何度も読み返す最高の作品！多分これで10回めぐらいです (2021年10月24日 19時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - Norada0417さん» こんにちは！お返事が遅くなり大変申し訳ありません！never not！そうなんです！一部歌詞を引用させて頂きました。それに気づいて下さって、こうしてコメ下さったこと、とても嬉しいです。こちらこそ、読んで頂き、本当にありがとうございました。 (2021年6月3日 9時) (レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
Norada0417(プロフ) - 色々読んできましたがこの作品が私の中で圧倒的に1位です。ジョングクもたまにカバーしてたLauvのnever not の歌詞がなんだかこのお話にぴったりで曲を聞いてくるとこの話の2人が頭に出てきてなんだか泣きそうになります。素敵なお話をありがとうございました。 (2021年5月13日 21時) (レス) id: 0b2e88b270 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - kaさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます！『一言だけお伝え…』と読んだ時、何を言われるのかとドキドキしてしまいました！でもとっても嬉しいお言葉^ ^本当にありがとうございます！またグクでお話も書くので、良かったら読んで下さいね！ (2020年9月28日 19時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がほ
| 作成日時：2019年6月15日 20時
