通訳ヌナと… 【Yoongi：3】

鞄 -Yoongi- ページ1

イヤフォンから聞こえた俺の声。
seesaw。

俺があげたイヤフォン。
俺があげた高麗人参エキス。
涙。

ごめん…？

なんでお前が俺に謝るんだよ。
お前は何もしてねぇのに。

謝るのは俺なんだって。


気持ちが揺れ出す。
最近こんなんばっかだけど、
更にもう…どうすりゃいいのかわからなくなる。


…と。
突然聞こえたドアの音。


ドアに顔を向けるとソユンヌナが見えて、
慌てて立ち上がろうとした時、

「…っ！」

急に動いたからか、
ソファーに置かれていた鞄に腕が当たり、
鞄が床に落ちてしまった。

ラグの上に落ちたから音は大きくなかったものの、
中のものが出てしまった。

「やだ。ユンギ、何してんのよ」

「ちげーよ！当たったんだって！」

「わかってるわよ、そんなこと」

そう言いながら、
ソユンヌナが拾った物を鞄に入れてた時…

「まだ持ってるし…」

ソユンヌナが拾い上げたもの。
何なのか見ると、

「USJで買ったお土産。誰に渡すつもりなのか…渡せないんだって、なかなか会えないみたいで」


青いクッキーモンスターのナノブロック。

クッキーモンスター…

そういや…
カチューシャつけてる写真あったよな。


…って！


「ちょっと見せて！」

鞄に戻そうとするソユンヌナの腕を押さえ、
袋にプリントされているクッキーモンスターの写真を見た。

「ヌナ…この手に持ってる茶色いのって…」

「茶色？クッキーでしょ？クッキーモンスターなんだから」



あぁ…

ちょっと待って…

頭が真っ白で…

何も考えられない…


クッキー…

記憶を辿るべく意識を集中させ…
過去を…思い出した。

こじつけすぎかもしれない。

考えすぎかもしれない。

でももしも…

もしもAも…

同じことを覚えててくれたなら…

USJに行ったあの日も…

同じことを思ってくれたのなら…

このナノブロック。

もしもだけど…

渡す相手…

俺に…なのであるなら…


取り返しのつかないことを…

俺はしてしまったんじゃないのか…

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