JIYONG -2-

欲 -Jiyong- ページ33

「やっ…！ジヨンさん！離して下さい！」

立ち上がろうとしてた所を後ろから抱きしめたから、崩れるようにしてまた玄関に座り込んだA。

胸の前で組んだ手に力を入れて、
絶対に離さないよう、力を入れた。

「さっきまで、女といたよ。昨日も一昨日も、女といた。キスもしたし…それ以上のこともしたし…」

Aは何も言わず、大人しく俺に抱かれたまま、
ただ鼻をすする音と、泣き声だけが聞こえる。

「だけど…」

「…っや！」

髪の隙間から見えた白いうなじ。
引き寄せられるように、そこに顔を埋めた。

身体をよじるA。
より腕に力を入れる俺。

鼻から深く息を吸い込めば、
身体中に入り込むAの匂い。

狂おしいほど、この匂いが好きで、
俺が求めてるのはやっぱりAなんだと思い知らされる。


「だけど…Aが悪いんだよ？」

「え…どうし…て？…っ！」

顔をうなじに擦り付けるように動かせば、
柔らかい肌の感触がたまらなくて。


「俺を1人にさせたから」

「やぁ…っ！」

うなじに唇を付けながら話して、
言い終わると同時に軽く吸い付いた。

ピクッと反応して跳ねる身体。


もうとっくに抑えなんか効かないこの身体。
欲のままに言葉を口にし、手をかける。


「俺の知らない所であんなシーン撮ってて、どうだった？
あいつ…背も高いし優しいし、ときめいた？
それに…何で連絡もしてこないわけ？待ってたのに。
俺は…Aがいないと1人になるのに、Aはそうじゃないの？
俺なんかもういなくても、あいつがいるから俺はいらない？友達だろ？俺ら。
なのに何で？何で俺を1人にするんだよ！」


興奮して声を荒げてしまった。

わかってる。
どんだけ自分勝手なことを言ってんだってこと。
どんだけ無茶なことを言ってんだってこと。

怖い…のか、なんなのか、
固まったまま何も言わず、息遣いだけが聞こえてくる。

表情も気持ちもわからないAの後ろ姿。


「ちょ…っ！やだ！ジヨンさん、離して！やだ！」

たまらず、Aを抱き上げた。
腕の中で暴れるA。

鞄やら靴やら。
落ちる音が聞こえるけど、
無視して歩を進め、寝室にあるベットにAを放り投げた。


「やだ…っ、ジヨンさん…やめてっ」

馬乗りになり、手首を掴み、
上から見下ろす。

なんとか起き上がろうと、必死にもがく姿。
涙で濡れた顔。



身体の中心が熱くて苦しい。

他の女と比べ物にならないほど、
Aが欲しくてたまらない。

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