MV -Jiyong- ページ24
Aが出ているMV。
数日前に公開され、それを見てから苛立ちが治らない。
貸した詩集のようにMVを見て、見たよ、って感想を伝えようとしたんだよ。
どんな曲なのか、歌詞なのか、MVなのか、
全く知らなかった。
音楽が流れ始め、歌詞も曲調も結構好きで、
気持ち良く聴き始めたのも束の間で、
MVを見ながら胸騒ぎがしてきた。
全体的に証明を暗くしていて、数秒で変わる画面の中で女を見つけると、それがAなのかと目を凝らす俺がいた。
横顔や後ろ姿。
違う…これはAじゃない。
選別をする俺。
そしてMVの中盤が過ぎた時、
画面にAが映った。
頭の中にある、
俺が知っているAの笑顔とリンクする。
いつもより濃いメイク。
頬が赤く、酔ったような表情で。
潤んだ黒目で男を見つめ、
オフショルダーでむき出しの肩を男に抱かれ、
お互いに笑い合って。
何これ…
王様ゲーム?
トランプが宙を舞う。
Aではない女と女でキスをしたり、
Aではない女と別の男がキスをしたり、
AはAで男に膝枕を許し、
胸が当たりそうなほど身体を屈め、男の顔に触れていたり…
何これ…
もう正直、これがMVだってことや、
コンセプトやフリだってこと、全て頭になかった。
俺の知らない、
裏のAを盗み見ているような感覚だった。
そして…
唇を尖らせて待つAの横顔。
男がまたAのむき出しの肩に触れ、掴み、
ソファーに押し倒しながらキスをして…
そこから最後まで、Aはもう出てこなかった。
キスシーンの所で終わり。
MVを再度見る気にはならなかったし、
必要なかった。
男を見つめる目や笑顔、
肩や足、指先。
そして、唇。
フリなの?
フリだよね?
普通はフリだよな?
やたらと気になるキスシーンの事実。
何だろ…
言葉が出てこない。
とにかく、イライラして、頭が痛くて、
発狂しそうなほど苦しくて。
もう…なんかもう、いいやって。
考えるのはよそう。
別にもういいじゃん。
関係ないじゃん。
何なんだよ…ったく。
俺を苦しめる、こんな気持ちにさせるAが今は嫌で仕方なくて。
深く物事を考えるのが今は嫌で、
とにかくAに対して悪態をつき、自分の中からその存在全てを押し出そうとした。
俺からはもう連絡しない。
けど、Aから連絡が来たら、
無視することができなくて…
自分で自分の首を絞めてるようで息苦しい。
537人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がほ(プロフ) - anzさん» コメ頂いたのに、お礼が遅くなりすみません!最近更新がなかなかできなくて、本当に申し訳ないです。土日で頑張って更新しますので、良かったらまた読んで下さいね^ ^ (2018年11月3日 12時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
anz - 初めまして(´ ˘ `)凄くドキドキする作品をありがとうございます!毎日楽しみに更新待ってます! (2018年10月25日 7時) (レス) id: c7fabd4acc (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ユリアさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!なかなか更新が出来ずすみません!楽しみにしている…と言って頂けて嬉しいです^ ^ (2018年10月20日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - いつも楽しみにしてます!これから先どうなるのかドキドキです! (2018年10月9日 18時) (レス) id: 3eb3ef9154 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - なつこさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!ドキドキしながら読んで下さって嬉しいです^ ^3連休中に続きを更新できるよう頑張りますね^ ^ (2018年10月5日 11時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:がほ | 作成日時:2018年8月23日 15時