可愛い -Jiyong- ページ16
想像通りというか、それ以上というか。
必ず電話してくるだろうって思ってたし、
絶対に不安げな顔してると思ってたし。
「どうぞ」
とは言ったものの、
絶対に入ってこないのもわかってた。
「ジヨンさん…あの、私、ここで。これ…紅茶です。中に茶葉と、一応、紅茶の淹れ方を書いたメモ入れてるので…」
そう言って、持っていた紙袋を俺の方に向け差し出した。
俺を見て、右側を見て、俺の足元を見て、また右側を見て…
視線が定まらずきょろきょろと。
「え?体調悪い俺に、自分で紅茶淹れろって言ってんの?」
意地悪く笑いながらそう言うと、
困ったように慌てるA。
「でも…やっぱり…その…」
「もう玄関もキッチンも、ここまで来たら一緒だと思うけど?」
それでもどうすべきか決めかねて、
固まったまま。
え?何歳?俺と同い年だよね?
相変わらず敬語だけど。
普通の子ってこんなもんなの?
違うよね?
新鮮すぎるんだけど。
新鮮ってか、Aの初めての部分を見た感じ。
「早く」
「あっ、ちょっ…待って!」
紙袋を受け取って、
そのままAの手首を軽く引っ張った。
慌てて靴を脱いで、
「ジヨンさん!靴が…まだ揃えてない!」
靴を揃える?
まぁ当たり前のことなんだけど、
何度も振り返ってそこを気にするとか…
「はい。ここ、キッチン。何がいる?ポットと…ティーポットもいるっけ?後は?…って…聞いてる?」
「え…あ、はい!」
声が上ずってるし。
なんなの?
「大丈夫?Aのが体調悪いんじゃない?目線も態度もおかしいし」
「いえ…私は…元気です!元気だけど…緊張して…」
そう言って、両手で顔を覆い、頬を軽く叩いたり、息を吐いたり。
「何で?何を緊張すんの?」
いつもと同じじゃん。
いつもはAの家だけど、
それが今日は俺の家だってだけなのに。
「だって…マンション、本当にすごかったし、警備員さんとかセキュリティとか、ジヨンさんの家も…想像以上にすごすぎで、別世界っていうか…どこをどう見ればいいかもわからなくて」
下ろした髪から覗く耳。
それがほんのりと赤くて。
ちょっと上げた顔も、ほんのり赤くて。
相変わらず視線の定まらない目も、
落ち着きなく動くたび、キラキラと…
半泣き…なのか、潤みを増して輝いていて。
あれ?
どこかで見たことある?
っていうか。
溜め息出るほど全てが可愛いんだけど。
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がほ(プロフ) - anzさん» コメ頂いたのに、お礼が遅くなりすみません!最近更新がなかなかできなくて、本当に申し訳ないです。土日で頑張って更新しますので、良かったらまた読んで下さいね^ ^ (2018年11月3日 12時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
anz - 初めまして(´ ˘ `)凄くドキドキする作品をありがとうございます!毎日楽しみに更新待ってます! (2018年10月25日 7時) (レス) id: c7fabd4acc (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ユリアさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!なかなか更新が出来ずすみません!楽しみにしている…と言って頂けて嬉しいです^ ^ (2018年10月20日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - いつも楽しみにしてます!これから先どうなるのかドキドキです! (2018年10月9日 18時) (レス) id: 3eb3ef9154 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - なつこさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!ドキドキしながら読んで下さって嬉しいです^ ^3連休中に続きを更新できるよう頑張りますね^ ^ (2018年10月5日 11時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2018年8月23日 15時