JIYONG -2-

びっくり -You- ページ2

びっくりした。
本当にびっくりして、
びっくりしすぎて頭がまだ上手く動かない。


深夜、突然鳴ったインターホン。
こんな時間にインターホンが鳴るなんて。
不審者だったらどうしよう…
スマホを片手に、恐る恐るモニターを覗くと、
そこにいたのはジヨンさんだった。

とりあえずロックを解除し、
スマホを確認するも、ジヨンさんからの連絡はなし。

今日来るなんて言ってなかったよね？

あ！私、すっぴんだし部屋着だ。
それに部屋も！

慌てて読んでいた雑誌を片付け、
グラスを流しに持って行くと、
玄関のインターホンが鳴った。

ドアを開けた瞬間、
風とともにふわっと香ったアルコールの匂い。

いつもとはちょっと違う雰囲気の中、
一言二言言葉を交わし、
玄関にジヨンさんが入った瞬間。

いきなり、抱きしめられた。

一瞬何が起こったかわからなくて、
頭も身体も停止してしまった私。

まるで全身が心臓になったように、
身体中がドクッドクッと鼓動している気がして。

でも急にパッと離れ、笑いながら
「ごめん。一瞬クラッとしてしまった」
と。

あ…そっか。
うん…そうだよね。
だから、たまたま、倒れかかっただけ。

気づかれないように深呼吸して、
平静を装いながらジヨンさんにお水が入ったグラスを渡した。

そのままキッチンに戻り、乾いた食器を片付けていると、なぜかジヨンさんがこっちを見てて。

目が合うと、落ち着きを取り戻した心臓が、
また早鐘を打ちだした。

だから背中を向け、また深呼吸し、
冷蔵庫を開け…顔に心地良い冷気を感じたのも束の間、ペットボトルを手にジヨンさんのグラスにお水を足しに行くと、今度は左手に触れられた。

驚きの連続で、もうどうにかなりそう。

ただふらっと寄っただけ。
クラッとなっただけ。
目が合っただけ。
火傷を気にしてくれただけ。

それだけのことなのに、
それだけのことでも、
こうも続くとどうにかなりそう。

なのに。

左手に触れたまま質問をするジヨンさん。
その目が、
なぜかあの日の夜と同じように見えて…

左手に触れていた手。
いつの間にか私の両腕を掴み、
問い詰めるように、表情も真剣で…

どうしてそんな質問をするのか。
どうしてそんなことを聞くのか。

何か理由があって、本気で聞きたいのか。
それとも、酔ってふざけているだけなのか。

もう何がなんだかわからなくなった。


けど。


再度、抱きしめられた時、
自然とジヨンさんの背中に手が回った。

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