プレゼント -You- ページ32
ベットで寝転びながら話していたのに、
急にジヨンくんが身体を起こした。
と、思ったら、
私の両サイドに手をついて、
上からじっと見つめられて。
なぜか真剣な表情。
薄っすらと伸びた髭。
寝起きの髪の毛。
筋肉のついた腕。
タトゥーのある身体。
改めて。
本当に大人になったんだね、と思った。
でも変わらない、力のある真っ直ぐな目。
その目がゆっくりと近づいてきて。
お互いの鼻がもう触れそうなギリギリの距離。
そこでぴたりと止まって。
意地悪。
本当に意地悪。
でも可愛くなっちゃって、思わず笑ってしまった。
顎を少し上げて動かして、
ジヨンくんの唇に触れた。
「…っん！」
触れた瞬間グッと身体が下がってきて、
押し付けるような、でも優しいキス。
寝起きのまだぼんやりとした頭だから、
余計にボーッとしてくる。
だから最初、聞き間違いかと思った。
「A。プレゼントがあるんだ。」
…え？
「A？聞いてる？」
「え…え…っと。」
「これ。」
どこにあったのか。
ジヨンくんの手にはいつの間にかゴールドの箱。
白い小さなリボンを整えて、笑顔で渡された。
言葉も手も出なくて、
目尻からツーッと涙が溢れた。
「何泣いてんだよ。」
笑いながらジヨンくんがそう言って、
肩下に手を差し込んで、身体を起こしてくれた。
そのままジヨンくんの胸に抱かれる私。
笑いながらも髪の毛を撫でて、整えてくれるジヨンくん。
肩を持たれ、ゆっくりと身体を離されて、再度、
「ほら。ちゃんと受け取って。」
小さく揺らしながら渡されたから、
手を出し、箱を受け取った。
「ありがと…」
今にも消えそうな、小さな声でしかお礼が言えなくて。
「開けてみて！」
私とは対照的に、ニコニコとした楽しそうな笑顔。
キレイに結ばれた小さなリボン。
少し引っ張ると、シュルっと解けた。
チラッとジヨンくんを見ると、
本当に楽しそう。
箱に目を戻し上蓋を開けると、
キラリと光るもの。
「…っ！」
またぶわっと、涙が溢れた。
「もー、泣きすぎ。貸して。」
箱を持つ私の手にジヨンくんの手が添えられて、
中にある指輪をジヨンくんが抜き取った。
持っていた箱を手から取ると、シーツの上に置き、
右手をそっと持たれた。
「え…」
薬指に、不思議なくらいにスーッと入った指輪。
いつもしている細いゴールドの指輪。
それと同じ細さのゴールドの指輪。
違うのは、指輪の真ん中に小さなパールがあること。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 445人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がほ(プロフ) - 癒仁さん» こんにちは^ ^コメありがとうございます！切なくて…キュンとして…少しでもそんな気持ちになって下さったなら、本当に嬉しいです！まだ稚拙な文章ですが、これからも頑張ります^ ^ありがとうございました！ (2017年6月16日 9時) (
レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
癒仁(プロフ) - とっても切なくて、でもキュンとしてとっても面白かったです！！！おつかれさまでした！ (2017年6月16日 7時) (レス) id: cb8edbbef5 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ritaさん» こんばんは☆コメありがとうございます^ ^次作も頑張ります^ ^ (2017年6月15日 22時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
rita(プロフ) - お疲れ様でした(*´Ｕ`*) (2017年6月15日 19時) (レス) id: 126bc83529 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - tomatoさん» こちらこそ、プロではないし、ただの素人の作品なのに、そんなに褒めて頂いて胸がいっぱいです。本当にありがとうございます。書き終えた安堵感はあれど、すでに妄想に飢えつつあるので…本当にすぐ書き始めると思います^ ^また読んでもらえると嬉しいです^ ^ (2017年6月15日 18時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がほ
| 作成日時：2017年5月12日 11時
