-0.TO.10-

気持ち -You - ページ45

愛しいあなたへ アロハ
心の底から愛しています
笑顔を絶やさず あなたの口づけを
涙を拭いながら
もう一度 アロハ お別れの時まで

愛しいあなたへ アロハ
夢の中で 今夜あなたに会える時
私はその時を祈っています
二人が再び出会う時まで
その時まで ずっと愛しています


……………


いつでも、ずっと。
ジヨンくんには幸せでいて欲しい。
あの笑顔で。

泣かないで。
苦しまないで。

私達はさよならしてしまったけど、
夢の中なら一緒にいられる。

だからいつか。いつか。

もう一度、どこかで私達出会えるなら。
いつか来るその日まで。




そう想いながら練習し、あの大会で踊った。

踊りきって、賞も貰うことができ、

『いつか来るその日まで』

1年後かもしれない。
3年後、5年後かもしれない。
10年後、50年後…

私はおばあちゃんになってるのかもしれない。
だけど『その日まで』。

この想いは胸の奥にしまっておこう。





そうだ。
あの時、私はそう思ったんだ。

そして、ずっとそれを忘れていた。

久しぶりに今このフラを踊って、
その時の想いを思い出した。


パチパチパチパチ。
聞こえる拍手の音。

「ありがとー。ごめん、ちょっと…いろいろ思い出しちゃって…」

涙を拭い、みんなを心配させないよう笑った。



パチっと切った部屋の電気。
真っ暗になった部屋。

いろいろな感情。
いろいろな想い。
いろいろな過去。出来事。

自分でもわからないくらい身体の中でグチャグチャになって、じわっと目にまた涙が溢れるのを感じた。



都合が良すぎる。
なんなの、もう…

9年前、ジヨンくんと離れた頃は辛かった。
まだ好きだったし。

だけど私も別の人に恋をした。
大切にしてもらって、
もちろん別れも経験したけど、
また新しい恋もして、
普通の女の子と同じように。

ずっとそうだっだった。

去年の秋、ハワイでジヨンくんに会うまで。


それまではテレビでジヨンくんを見ても、過去を懐かしむだけだったし、苦しくなんかならなかった。


だけど会ってしまったから…
ジヨンくんが私のことを覚えてなくても、
私が覚えてる。

ふつふつと何年も抑え込んで蓋をしていた感情。

それが湧き上がるのを感じた。

都合良すぎる。

良すぎるんだけど…

ジヨンくんが近くにいすぎて、
胸が苦しい。

名前 -Jiyong-→←フラ -You-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す