-0.TO.10-

回想 -You- ページ21

ひと気の少ない場所に移動したテソンと私。

前を歩くテソンの背中を見つめた。

こうやって直接テソンを、
しかもこんなに近くで見たのは…
もう何年ぶりだろう。

あ。
お昼にビーチで会ったんだった。


初めて会ってから…ちょうど9年になるけど、
面影というか、
優しい穏やかな声の響きや、
優しい眼差し。

大人になって、
可愛らしいテソンから、
かっこいいテソンに変わったけど…

優しいテソンは変わらない。
「優しい」って言葉しか出てこないほど、
テソンは優しい。

こんな私に、
あの頃と変わらず、ずっと優しくしてくれている。





BIGBANGがハワイでファンミーティングをすることは、もうだいぶ前のニュースで知っていた。

同じ時期に私が仕事でハワイに行くことも、
だいぶ前から決まっていた。




でももう何年も…
あの日以来、会ったことはなかった。

最初の頃は何度か会いたいと願った日もあったけど、願っても叶わなかったのに…

まさかまさか…
遠く離れたハワイで再会するなんて。

しかも気づいた時にはすごく近くにいて、
ジヨンくんはすぐに背中を向けてしまったけど、
一瞬見てしまったジヨンくんに…
全てを一瞬で引き戻された。


夜のステージに向けて切り替えて、
一生懸命頭から追い出したのに…


なんでジヨンくんはいたんだろう。
なんでまた会ってしまったんだろう。
なんで見つけてしまったんだろう。

なんで…
なんでサングラスを取って、あんなに大きな拍手をしてくれたんだろう。


まさか……ううん。
それはない。


ジヨンくんの記憶の中から、私の記憶だけが消えてしまったのは知っている。

思い出してなんかないだろうし、
例え思い出してても、もう忘れられているはず。

それに…
例え思い出してたとして、

仮に…
「久しぶり！」なんて話しかけられたとしても、

きっと…
いや、絶対。
普通に挨拶なんてできない。

どうこうしたいわけでも、
どうこうなりたいわけでもない。

ただ、蘇る。
あの日のことが。
あの頃の私が。


韓国ではどんなに耳を塞いでも、
どんなに目を閉じても、
永遠にそうしてない限り、ジヨンくんやBIGBANGを聞かずに、見ずにいられることはできない。


だけど直接見てしまったから…

一瞬にして、走馬灯のように、
たくさんの思い出が頭を浮かんだ。

【回想】守りたい -You-→←ステージ -You-

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