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赤side

最後に女の子達が言った言葉を頭の中で唱えているのかぼーっと彼女達の背中を見たあと、弾かれたように振り返った。

「っ、お前!」

結構恥ずかしかったらしく顔を赤らめて怒ってくる。

「今気づいたんや(笑)」

可笑しくてそう返すと淳太はせっかく俺が結んでやったリボンを無遠慮に触った。

「もう!どうなっとるん?」
「ちょっ」

止めようと思った時には遅い。既に淳太はリボンをぐちゃぐちゃにしていた。

「あーあ。せっかく結んだんに」
「35のおっさんがリボンとか恥ずすぎるやろ」

そしてマフラーを外してからまた最初の時のようにぐるぐる巻きに直した。

「はよ行くで」

ご機嫌斜めになってしまった淳太は俺の前をスタスタ歩いていく。もうリボンは無い後ろ姿なのに何故か可愛く見えて、俺はスマホのカメラを淳太に向けた。

「…お前、反省しとらんやろ」

その音に反応した淳太が睨みつけてくる。

「しとるで」
「嘘や。しとったら今シャッター音なんか聞こえへんわ」

そう言ってグイッと近づいてくる。俺はそんな淳太を片手で押し退けた。

「そない言うんやったらこれあげるわ」
「…は?」
「スマホ出してや」

意味がわからないといったふうにしながらも素直にスマホを出す淳太。俺はエアドロで1枚の写真を共有した。

「いっちゃん最初に撮ったやつ」

そう伝えると確認した淳太がみるみる面白い顔になっていく。

「こんなん、いらんわ!」

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作者名:年長さん | 作成日時:2023年3月25日 1時

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