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桃side

「そういえば濱ちゃんはなんで淳太とおったん?」

俺は今濱ちゃんとふたりで飲みに来ている。俺が誘ったに過ぎないのだけど。

「…んー、偶然やな」

普段お酒をあまり飲まない濱ちゃんが熱燗を手に持ちながらそう答えた。流石にそれは嘘だとわかるほどの変な間がある。

「嘘やろ」
「えー…」
「そういうの要らんから」

すると濱ちゃんはえへへと笑う。

「照史に言われてん」
「…照史に?何を?」
「淳太が今傷心中やぞって」

意味がわからず濱ちゃんを見つめる。

「迎え行きやって。慰めたりやって。したら少しは意識してくれるようになるかもしれへんからってな」
「え、ちょ、まって、」

その言い方だと。まるで…まるで。濱ちゃんが淳太のこと。

「好きやねん」
「…え…」
「淳太のことが」

思いもしなかった告白に固まる。

「初めて知った…」
「うまーく隠しとったやろ?」

したり顔でそう言うので素直に頷いた。

「照史にもな、俺から言うたから」
「そう…なんや…」

なんだ、濱ちゃんも叶わない恋をしているのか。最低だと思いながらも少し安心する。既にお酒の代わりに水を持って飲んでいる濱ちゃんを見ているとふと濱ちゃんならなってくれるのではないかと思った。

迷子の俺の道しるべに。

「なあ」
「ん?」
「濱ちゃんは淳太に告白するん?」

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作者名:年長さん | 作成日時:2023年3月25日 1時

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