シャッターチャンス(赤×黄) (ページ30)

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黄side

しげと2人の気まずい空気を壊したのは何故か他のみんなよりも早く帰ってきた濱ちゃんとのんちゃん。

「濱ちゃんはなんで帰ってきたん？」

さっきののんちゃんの理由はいまいち分からず隣にいる濱ちゃんに同じような質問をした。

「望に引っ張られてん」
「のんちゃん主導なんや」

結局なにも得ることが出来ずにわちゃわちゃしているのんちゃんとしげに向き直すとあることに気づく。

「…なんかのんちゃん元気ない？」
「んー、元気ないっていうよりかは迷っとるって感じやな」

俺の独り言のような疑問に対しての濱ちゃんの回答に首を傾げる。

「そうなん？」
「おん。さっきな、迷子のような顔して俺の事見てん」
「それは…可愛ええな」

泣きそうな子みたいな顔をしているのんちゃんを想像するととても可愛い。

「やから待ったって」
「へ？」

急にそんなことを言い出すのでそう聞き返すと濱ちゃんは優しい笑顔を見せた。

「まだ迷っとるからさ。選ぶまで望のこと待ってあげてな」
「…おん。頑張る」

分からないからと言って迷子の末っ子を置いては行けないのだ。

「そういえばしげちゃんとはしっかり話せたん？」

その言葉から思わず目線を逸らす。

「やろうな思うたけど」
「話したは話したよ」
「ほんまに？」

信じてなさげな濱ちゃんの声を聞き流してのんちゃんとしげに視線を移すと俺はあることを思い出した。

「あ、俺まだ謝ってへん」
「へ？あ、ちょ」

濱田の手をとって立ち上がり2人の元へ向かった。