シャッターチャンス(赤×黄) (ページ24)

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黄side

あの日から1週間が経った。マネージャーからのメールでしげの報道は嘘だったということが判明したのは昨日のこと。そして今日は照史と2人だけの仕事だ。

「おはよ」
「おはよう」

挨拶を交わしたあとも照史は何故か俺の事をじっと見つめてくる。先に痺れを切らしたのは俺の方でいじっていたスマホを閉じた。

「…なんやねん」
「いやぁ？」

白々しくそう返してくる照史をジト目で見やると観念したように口角を上げた。

「良かったなぁ。しげのが嘘で」

その言葉に俺の心がキュッとなった。

「…そうやね」
「…それなんに元気ないんはなんかあったん？」

優しくそう聞いてくれる照史に俺は甘えてしまう。

「…飲み行かへん？」

だって急な誘いにも少し驚いてから人懐っこい笑顔で。

「ええよ」

と言ってくれちゃう照史だから。

「桐山さん！ちょっとこの後の仕事について話が…」
「あ、はい！今行きます！ちょっと行ってくるな」
「おん。行ってらっしゃい」

そう律儀に俺にも挨拶して楽屋から出ていった照史の後ろ姿を見つめていると1件のメールが俺の元へ届いた。

『この前のこと話したい』

それは俺にとったら恐怖でしかない1文だった。
もう逃げないと誓ったはずなのに。

「怖いわ」

気づかなかったふりをしてスマホを閉じた。

いつの間に俺はこんなにも弱くなったのだろう。そう思うと少し呆れてしまう。