足跡いっぱい ページ6
Aside
鬼ごっこ。
一般的に言うそれは、子供たちが楽しく遊ぶための遊びだと思う。
…でもこのハウスでの鬼ごっこは一味違う。
特にノーマンやレイが鬼の鬼ごっこは間違いなく【戦略】が求められる
いわゆるガチの頭脳戦鬼ごっこなのである。
…まあ、それだから面白いんだけどね。
今日はどう仕掛けてくるかなぁ、ノーマン。
木の上でそんなことを考えながら、私は下の様子を伺っていた。
…おおっ、噂をすればノーマンが木の下にいるなぁ。
私の目線の先にはノーマンがいた。
…さすがノーマン、ダミーの足跡には引っかからなかったかぁ。
そう、この木に登る前、いろんな方向にダミーの足跡を沢山つけておいたのだ！
…てゆーか、あれ結構つけるの苦労したんだけどなぁ。
もうざっと一週間分は歩いたかなってくらい足跡めっちゃ付けたよ、私。
もう誰かに褒められてもいいくらいには頑張ったのに。
あっさり見破られすぎてちょっと悲しいわ。
もう少し引っかかってくれても良かったのに。
…そんなにダミーの足跡つけんの下手だったかな。
まあそれは一旦置いといて。
あんだけダミーの足跡があったうえで、わざわざこっち方面に来たってことは
それなりの【誰かがいる】って確証があったってことだ。
…もしかして私がここら辺にいるってバレてる？
いや、その可能性は低いか。
私自身の足跡は全部消したし、音も今のところほぼ出してない。
…私には見つかる要素がほとんどないはず。
ってことはこの近くに他の誰かがいるとか？
そう思って周りを見回すが、誰の姿も見えない。
…じゃあ何でこっちに来たんだろ。
勘かな。
まあ、それはどうだっていいや。
ノーマンに見つかっていたとしても、
ただ逃げればいいだけの事。
鬼ごっこは逃げっ切った方が勝ちなんだから。
それに試してみたい事もあるし、
隠れてばっかで正直退屈だったから
こっちとしては特に問題無いんだよね。
だから、私は大きな声で
『ノーーマンーー‼』
と叫んだ。
もちろんとびっきりの笑顔で。
まさか自分の名前を呼ばれると思ってなかったのか、ノーマンは驚いたようにこっちを見た。
が、すぐにいつもの自信ありげな笑顔を浮かべた。
…これは私からの宣戦布告だ。
さあ、ノーマンはどう出るかな？
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紅華 - 面白いです！更新待ってます！ (2020年6月15日 19時) (
レス) id: 7b082dad3b (このIDを非表示/違反報告)
えのきの里(プロフ) - 外すの忘れちゃってました…わざわざ教えていただきありがとうございます！ (2019年3月21日 19時) (レス) id: 5e9c55c38c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年3月21日 19時) (レス) id: c596c0896b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えのきの里 | 作成日時：2019年3月21日 19時
